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キンヨウビ ページ5

あれから1週間。

ようやく週の終わり、金曜日がやってきた。

「きりーつ。れーい」

「さよならー」

クラスメートが次々と帰っていく。

だんだんと人がいなくなっていくなか、私はひとり教室に残った。

今日は私にとっての安らぎの時間なのだ。

やがて教室は私以外からっぽになった。

よし…。

やっと誰もいなくなった。

ふぅ〜…と私が机につっぷつした、そのときだった。

ガラガラッと勢いよく教室の扉が開いた。

「あ?…南!?」

…三沢くん。

「どうしたんだよ、こんな時間に。誰もいねーじゃん」

無言で動かない私に三沢くんは平気で話しかけてくる。

「三沢くんこそどうしたの」

「俺?俺は日直で」

日直…か。

てことは、出席番号順だから月曜私じゃん。

やだわー。だっる。

「なぁー、どうして残ってんだよー。俺が答えたんだから南も答えろってー」

無邪気だな、こいつは。

悪いけど今の私はこんなやつに構ってらんないの。

それが例え、大切な初恋の人だったとしても。

てか、忘れようとしてるのにっ!!

「やだ。私が答えたくないから答えない」

つん、とそっぽを向く。

「ふーん…。」

三沢くんはなんだか面白くないな、とでも言うような顔をしていた。

目を細めて、私を上から見下ろしてくる。

なに?うっざ!

いくら三沢くんでもうざい。

「なに?うっざいんですけど」

「別に?好きなことしてればー?」

三沢くんはニヤニヤしながら黒板へと向かった。

何をするんだろうか。

チョークを手に取り、何かを書いている。

…トン。

やがてチョークを置く音が教室に響いた。

「…はぁっ!??」

そこに書かれていた文字を見て、私はとんでもない声をあげてしまった。

相変わらず三沢くんはニヤニヤ笑うだけ。

むかつく。

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作者名:みつ葉 | 作成日時:2017年7月21日 15時

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