検索窓
今日:3 hit、昨日:11 hit、合計:160,792 hit

5話 ページ7





『着いたよ〜』

その一声ではっとする。目の前には慣れ親しんだ小屋があり鱗滝が扉の前で立っている。
Aはゆっくりと義勇と錆兎を降ろした。


真「鱗滝さん…っ!!」

鱗「!お前達…!!」


三人は鱗滝に駆け寄り互いをぎゅっと抱きしめる。


鱗「よくぞ無事で帰ってきた…良くやったぞ、お前達…!!」

面のお陰で表情は見えないが声が少し、ほんの少しだけ、震えていた。



錆「鱗滝さん…俺、頑張りました…人を沢山救いました…!」

義「死者を出さずに、乗り切りました……ッ」


無事に帰って来れた事に安堵したのだろう、三人は涙を流しながら暫くの時間、四人で抱き合っていた。


『(良かったね、鱗滝さん)』


Aは木の影でその一部始終を見守っていた。
ゆっくりと傾く夕陽が優しく、皆を包み込んでいた。






不意に皆が離れ、ふと思い出したかのように真菰が語りかける。

真「…あ…A、ごめんね、ずっと黙らせてて、もう出てきていいよ」

鱗「A…?まさか…!」

『そのまさかだよ鱗滝さーーん!!』


そう言いながらひょこりと木の影から顔を出しAは鱗滝の懐に飛び込んでいった。


鱗「…っと、お久しぶりです、Aさん」

『久しぶり!そんな堅苦しくなくていいよ、もっと気楽に接して欲しいな!』

鱗「そうか…久しぶりだな、A、何か変わったことは無かったか?」

そう言いつつ鱗滝はAの頭をゆっくりと優しく撫でる。



義・錆・真「「「 !? 」」」


錆「(撫でた!?あの鱗滝さんが!?)」

真「(甘い…あの鱗滝さんが…!!)」

義「(心做しか雰囲気が凄く柔らかい…あの鱗滝さんが…!!!)」



鱗「お前達、何か失礼な事を考えているだろう」


じとりと睨まれ三人はすっと視線を逸らす。


『ほんっと久しぶりだなぁ…あったかーい…』


そう言いながらえへへと姿相応の笑みを浮かべるAはとても可愛らしかった。


義・錆「「(……っ…)」」


義勇と錆兎がより一層Aに惹かれていったことを自覚するのは──

───まだ先のお話。

6話→←作者の閑話(飛ばしていただいても結構です!)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (300 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
640人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆりか(プロフ) - お話終わりなんですか?(TT) (2020年8月17日 22時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
みたゃらしちゃ(プロフ) - きのみさん» ありがとうございます!! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 677809eb29 (このIDを非表示/違反報告)
きのみ(プロフ) - 夢主ちゃんかわゆす (2019年9月16日 20時) (レス) id: b48d9d3d8e (このIDを非表示/違反報告)
きのみ(プロフ) - シリアスものんびりもどっちも好きなので大丈夫です (2019年9月16日 15時) (レス) id: b48d9d3d8e (このIDを非表示/違反報告)
みたゃらしちゃ(プロフ) - きのみさん» ひゃぁぁもうなんか、、好きです…これからも精一杯書かせて頂きます…(´;ω;`) (2019年9月16日 13時) (レス) id: 677809eb29 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みたゃらしちゃ | 作成日時:2019年9月14日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。