5話 ページ7
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『着いたよ〜』
その一声ではっとする。目の前には慣れ親しんだ小屋があり鱗滝が扉の前で立っている。
Aはゆっくりと義勇と錆兎を降ろした。
真「鱗滝さん…っ!!」
鱗「!お前達…!!」
三人は鱗滝に駆け寄り互いをぎゅっと抱きしめる。
鱗「よくぞ無事で帰ってきた…良くやったぞ、お前達…!!」
面のお陰で表情は見えないが声が少し、ほんの少しだけ、震えていた。
錆「鱗滝さん…俺、頑張りました…人を沢山救いました…!」
義「死者を出さずに、乗り切りました……ッ」
無事に帰って来れた事に安堵したのだろう、三人は涙を流しながら暫くの時間、四人で抱き合っていた。
『(良かったね、鱗滝さん)』
Aは木の影でその一部始終を見守っていた。
ゆっくりと傾く夕陽が優しく、皆を包み込んでいた。
不意に皆が離れ、ふと思い出したかのように真菰が語りかける。
真「…あ…A、ごめんね、ずっと黙らせてて、もう出てきていいよ」
鱗「A…?まさか…!」
『そのまさかだよ鱗滝さーーん!!』
そう言いながらひょこりと木の影から顔を出しAは鱗滝の懐に飛び込んでいった。
鱗「…っと、お久しぶりです、Aさん」
『久しぶり!そんな堅苦しくなくていいよ、もっと気楽に接して欲しいな!』
鱗「そうか…久しぶりだな、A、何か変わったことは無かったか?」
そう言いつつ鱗滝はAの頭をゆっくりと優しく撫でる。
義・錆・真「「「 !? 」」」
錆「(撫でた!?あの鱗滝さんが!?)」
真「(甘い…あの鱗滝さんが…!!)」
義「(心做しか雰囲気が凄く柔らかい…あの鱗滝さんが…!!!)」
鱗「お前達、何か失礼な事を考えているだろう」
じとりと睨まれ三人はすっと視線を逸らす。
『ほんっと久しぶりだなぁ…あったかーい…』
そう言いながらえへへと姿相応の笑みを浮かべるAはとても可愛らしかった。
義・錆「「(……っ…)」」
義勇と錆兎がより一層Aに惹かれていったことを自覚するのは──
───まだ先のお話。
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ゆりか(プロフ) - お話終わりなんですか?(TT) (2020年8月17日 22時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
みたゃらしちゃ(プロフ) - きのみさん» ありがとうございます!! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 677809eb29 (このIDを非表示/違反報告)
きのみ(プロフ) - 夢主ちゃんかわゆす (2019年9月16日 20時) (レス) id: b48d9d3d8e (このIDを非表示/違反報告)
きのみ(プロフ) - シリアスものんびりもどっちも好きなので大丈夫です (2019年9月16日 15時) (レス) id: b48d9d3d8e (このIDを非表示/違反報告)
みたゃらしちゃ(プロフ) - きのみさん» ひゃぁぁもうなんか、、好きです…これからも精一杯書かせて頂きます…(´;ω;`) (2019年9月16日 13時) (レス) id: 677809eb29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みたゃらしちゃ | 作成日時:2019年9月14日 22時