最高の友人 ページ20
満月の前は憂鬱だった。
体は怠いし、頭は痛い。普段なら気にしないような事にもイライラしてあたってしまう。
そんな自分が嫌になって自己嫌悪に陥る。
変身する時の事を考えては怯える。
でも今は違う。
もちろん満月が嫌な事は変わらない。
理解してくれる仲間がいる。それだけで僕の心は晴れやかだった。
「リーマス、そろそろ"お仕事"の時間じゃないか？」
「あぁ、俺らと違って重大な"任務"が控えているはずだ」
そろそろ医務室で休みたいと思っていたら、ジェームズとシリウスがニヤニヤとこちらを見ながら言う。
「リーマスが居ない間のノートはシリウスが取ってくれるよ」
「おい、ピーター勝手に俺の仕事を増やすなよ」
「ピーターのノートじゃリーマスは試験全科目落ちてしまうだろ。シリウス、君が適任さ」
「はあ？じゃあ、ジェームズお前がやれよ！」
ギャーギャーといつも通りに騒ぐ彼らに、なんだか嬉しくて仕方がなかった。
「ふふ、あはは。…じゃあ、行ってきます」
思わず吹き出した僕に、3人は顔を見合わせると、笑顔で送り出してくれた。
あぁ、僕の最高の友人達。3人と出会えて本当に幸せだ。
医務室へ着くとAが迎えてくれた。
「いらっしゃい、リーマス」
「やあ、A。マダム・ポンフリーは？」
「今出払ってるの。夕方までには用事は済むって言ってたよ。月が出るまでには戻ってくると思うから安心して。…それに今日は休日だからか他に生徒もいなくて、気を使わずゆっくり過ごしてね」
いつもは授業で爆発を起こしたり薬を被ったりして運ばれてくる生徒がいる医務室も今日はがらんどうだった。
「誰もいなくてちょっと寂しかったの」
そう言ってはにかむA。
「留守番を任されるなんてAはすごいね」
「もう入り浸って3年目になるからね。骨折くらいまでなら治せるようになったわ」
僕がベッドに横になると甲斐甲斐しく布団を整えてくれる。
「出る時間が近づいたら起こすから、それまで寝てて大丈夫だよ」
もう少しAと話したいと思ったが、彼女の優しい声に安心したのと、体のだるさに僕は目を閉じ、眠りへと落ちていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麗(プロフ) - 34ページも同じく名前変換が出来ていないところあります。 (2021年2月4日 9時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 16ページ 多分なんですけど、名前変換が出来ていないところあります。 (2021年2月4日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - これからも更新頑張ってください！応援しています！ (2021年1月17日 10時) (レス) id: 78ad243e0c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハル | 作成日時：2020年11月28日 20時
