ボガート ページ16
3年生になって最初の闇の魔術に対する防衛術の授業は、グリフィンドールとハッフルパフの合同だった。
先生は生徒たちをガタガタと不気味に揺れる洋箪笥の前に一列に並ばせた。
押し合いへし合いされるうちに、Aはリーマスの後ろに並んでいた。
「A、大丈夫そう？」
「ボガートだって…、緊張するわ」
Aは不安げな表情を浮かべ、洋箪笥を見つめる。
大蛇、ゾンビ、骸骨、ミイラ…
まるで怪物の見本市のように生徒達の怖いものへと姿を変えるボガート。生徒達は悲鳴をあげる。
「リディクラス！」
それでも、おぞましい怪物達は呪文の度に滑稽な姿に変えられ、教室には笑いが起こる。
リーマスの番が来た。
ボガートは綺麗な満月に姿を変えた。
大多数のものが怖いとは思わない美しい白い円に、教室に微妙な空気が流れる。
「リディクラス！」
満月はパチンと音を立てて弾けた。
Aが一歩前へ出る。
リーマスは教室の空気感に僅かに気まずさを感じながらも、Aの怖いものは何かと振り返り確かめる。
そこに居たのは…
＿＿＿狼、…いや違う
二本足で立ちすくむ醜い獣
あれは…、あれは人狼だ
苦しげに遠吠えをする、自らを噛む、鋭い爪でで自分を傷つける
まるで僕みたいだ…
＿＿＿息が苦しい、顔が歪む
Aを見ると今にも泣きそうな顔をしていた。
「リディクラス！」
人狼はAの呪文により大人しくなり、まるで飼い犬のようにお座りをして尻尾を振っていた。
Aは列を離れると、順番を終えた生徒達の元へ合流した。
「…ごめん、リーマスじゃないのよ」
途中呆然と立ちすくむ僕の傍を通り過ぎる時、小さな声で言った。彼女の後ろ姿はとても苦しそうに見えた。
その言葉は一体どういう意味なの＿＿？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麗(プロフ) - 34ページも同じく名前変換が出来ていないところあります。 (2021年2月4日 9時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 16ページ 多分なんですけど、名前変換が出来ていないところあります。 (2021年2月4日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - これからも更新頑張ってください！応援しています！ (2021年1月17日 10時) (レス) id: 78ad243e0c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハル | 作成日時：2020年11月28日 20時
