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その後。
六年生に連れられ帰路を辿り、私はようやく忍術学園に辿り着くことができた。
しかし安心したのも束の間、保健室では鬼のような形相の伊作さんが待ち構えていて＿
「……ねえ、Aちゃん。僕、昨日なんて言った？」
……すごく、緊張した雰囲気。
いつもならにこにこと笑っている伊作さんが、こんなにも怒っている。
私をここまで送ってくれた食満さんは、この伊作さんを見て"まあ、頑張れよ"と半ば逃げるように報告に行ってしまった。
「刀傷だって聞いてる。もう、もし当たりどころが悪かったらどうなってたか」
『ごめんなさい…でも、放っておけなかったんです』
私の言葉に、伊作さんは大きく目を見開く。
そして呆れたように微笑んでから、息をついた。
「……説教は後。傷をみよう、肩を出して」
『あ、はい』
……ちょっと、恥ずかしいかも。
少し緊張しながらも装束のあわせを緩め、右肩を出す。
伊作さんは傷口に当てられた布を見て、安心したように呟いた。
「…よかった、応急処置がしてある」
『食満さんっていう人にしてもらいました」
「……留三郎が？器用だなあ」
なるべく傷を見ないようにと言われて顔を逸らしていれば、少し消毒が滲みたくらいで、傷の処置はすぐに終わった。
後は包帯を巻くだけ、そう思っていれば突然傷口をなぞられ、くすぐったい感覚が走る。
私は思わず声を上げてしまった。
『ひゃっ』
「ご、ごめん！つい……痛かった？」
『あ、いえ……びっくりしただけです。どうかしましたか？』
もし伊作さんじゃなければ引っ叩くところだった、その言葉は心にしまっておく。
伊作さんは少し俯いてからまた顔を上げ、多分だけど、と言葉を漏らす。
「……無茶しないでって言っても、君はきっと無理をするんだろうな。もし、もし……また、怪我をしてきたら」
彼の穏やかだった表情に影がさしていることに気づき、私は首を傾げる。
伊作さんは、言葉を続けた。
「……君がもう無理をしないように、いや、できないように……閉じ込めちゃおうかな」
『えっ』
……なに、それ。
いつもの伊作さんからは想像出来ないような物騒な発言に、私は言葉を失う。
暫しの沈黙の後、伊作さんはぱっと笑顔になった。
「……なーんて！ちょっとは怖かったでしょ？次は怪我に気をつけてね」
……ほんとうに冗談、なのかな
そんな考えにいやいやと首を振り、私は大きく頷いた。
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凛(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (4月16日 22時) (
レス) id: f020fc6e38 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。また頑張りますね！ (8月28日 20時) (レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 更新をずっとお待ちしていた作品なので本当に本当に嬉しいです…！！これからも、陰ながら応援させていただきたいです！ (8月26日 8時) (レス) id: 17751e89f9 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - 麗羅さん» お久しぶりです、コメントありがとうございます！そうなんです……。あっちはいろいろ慣れなさすぎて、一時帰国ではなく日本にずっといたい位です笑更新頑張りますね！ (8月24日 1時) (レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - 更新ありがとうございます！海外留学中だったのですね……。すごいです！これからも応援しているので、作者様のペースで更新頑張ってください！ (8月21日 22時) (レス) @page26 id: 5152279fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海鈴 | 作成日時：2022年8月13日 22時
