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『あっ、ここなら開けれそう！……よいしょっと』
踏み台から落ちないように気をつけながら、精一杯の力で板を押す。
けれど、暫く全力で押しているうち、私は何かがおかしい事に気づいた。
『これ……』
(……天井板にしては、やけに重すぎない？)
どんなに力を入れても少ししか持ち上がらず、逆に板とは思えない重みというか、かなりの圧を感じる。
板の感触としては薄めでそんな重さがあるとは思えないし、これはまるで……
『人が、上に乗ってるみたい……』
そう思うと怖くなり、私は板から手を離す。
すると僅かに持ち上がっていた板は大きな音を立てて音を立てて直ぐに戻り、続いて天井裏で微かな物音がした。
とても聞き間違いだとは思えなくて、私は思わず息を呑む。
(……もしかして、本当に人が？)
少し迷ってから、私は天井に向かって声を掛けた。
『……誰かいるんですか！？出てきてください、気づいてます！』
＿暫しの沈黙。
私の声だけが反響して、やっぱり勘違いだったのかと思ったその瞬間、天井の板が開く。
思わぬ出来事に呆気に取られている私の前に、一人の男の人が颯爽と降りたった。
『えっ、いた！？』
「……」
私の言葉に、その人は少しだけ乱れた長髪を抑え、小さく息をつく。
少し中性的なその容貌には見覚えがあって、私はこの時代に来たとき最初に話しかけて来たあの愛想笑いの人だとすぐに気づいた。
『……い、いつからここにいらっしゃったんですか』
私は何やってんだと叫びそうになるのを抑え、なるべく落ちついた調子で話しかける。
その人は肩の埃を払い、まるでとってつけたような美しい笑顔を浮かべた。
「……これはこれは、天女様のお部屋でございましたか、申し訳ありません、迷子になってしまいまして」
『はぁ……そうですか』
多分これは嘘だろうな、そう心の中で呟く。
六年生ならばこの長屋の構造なんて知り尽くしてるだろうし、それにこの笑顔が何よりも怪しい。
それよりも、天井裏で何をしようとしてたのだろうか。
私は迷ったけれどもうまわりくどい詮索はせずに、ストレートに聞いてみる事にした。
『ここで何を？迷ったとおっしゃってましたけど……私に用事でもありましたか？』
「用事、ですか？」
少しだけ鎌をかけてみる。
けれど、さすが六年生……少しも表情が変わることはない。
私は思い切って、それとも、と言葉を続けた。
『……もしかして、監視ですか？』
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凛(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (4月16日 22時) (
レス) id: f020fc6e38 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。また頑張りますね！ (8月28日 20時) (レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 更新をずっとお待ちしていた作品なので本当に本当に嬉しいです…！！これからも、陰ながら応援させていただきたいです！ (8月26日 8時) (レス) id: 17751e89f9 (このIDを非表示/違反報告)
海鈴(プロフ) - 麗羅さん» お久しぶりです、コメントありがとうございます！そうなんです……。あっちはいろいろ慣れなさすぎて、一時帰国ではなく日本にずっといたい位です笑更新頑張りますね！ (8月24日 1時) (レス) id: d23310e530 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅(プロフ) - 更新ありがとうございます！海外留学中だったのですね……。すごいです！これからも応援しているので、作者様のペースで更新頑張ってください！ (8月21日 22時) (レス) @page26 id: 5152279fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海鈴 | 作成日時：2022年8月13日 22時
