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百十七 ページ30

声が聞こえる。

真っ暗な中、ポツンと光がさしている。




遥「(…何?)」




自分は今立っているのか、座っているのか、前後左右も分からない。

でも、ただひたすら光がある方に進もうとした。




遥「だれ…誰なのアンタ」




ぼやぁとした声は、光に近づくにつれて鮮明になってくる。




「…い……え…」
遥「なんて言ってるかわかんねぇよ」




やはりあの光が喋っているのか。

幽霊?火の玉?妖怪?

よくわかんないけど、危ないヤツなのであれば近寄らない方がいいかもしれない。

そう思って、止まってみる。




「…」




光の玉は何も話さない。

かと思いきや、一瞬で目の前に現れた。





遥「!?(はやっ)」
光「貴様、名は?」
遥「…知らないやつに教えるほど馬鹿じゃない」
光「…ほう。なかなか賢い娘だな」




今のところ、光からは何も危ないものは感じない。

安全そうだ。




光「娘、お前は今、霊力不足で倒れ、政府の医務室に運ばれたらしい」
遥「霊力不足…?ってかなんでアンタがそれ知ってんの」
光「俺は色々わかるんだ。色々、な」




光が少し笑った気がした。

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作者名:桜海 | 作成日時:2018年10月13日 8時

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