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…かずは、じぶんに、優しさがないと思うの?
おれのその言葉に、そいつはふるりと首をふった。
「 おれは、優しい、って言われる。自惚れじゃないし、でも、おれにはそのやさしさがわかんないの」
…そう。
かず、おまえは、やさしいよ
ただね、きっと
まわりを見すぎて、やさしさに、のみこまれているだけ
そんなにじぶんを、酷評しないで。
おまえにはおまえにしかできないこと、きっとある。
…ん、と小さく声を漏らした彼は、ひどく疲れた顔をしてた
おいで、って、
隣に座らせて、あれ、こんなに小さかったっけ、って。
こんなに、ひどい顔、してたっけ、って。
どうして、気づけなかったかなぁ
「優しさ、ってさ。
じぶんが、損をするものなのかな。
おれは、おれの優しさが分かんなくて、
優しいフリして、わらってるだけ。
優しいふりしなきゃわらえないだけ、
どうして、おれのまわりの人はこんなにも優しいのに、
どうしてこんなにもおれは、優しくなれないんだろう。
どうしておれは、こんな風なんだろう、」
…そうだよ、涙をながしてほしい
おまえの涙、見たの、いつぶりだろ
…それでも、いい。
今、泣いてくれているなら、それでいい
きっとおまえは、ためすぎちゃったんだ
へいきな顔して、ほんとは、辛かったんだ
…おれ、おまえのこと、分かってたのに。
ごめんな。
…おれが今から、あっためてあげるから
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Marin(プロフ) - はじめまして。とても素敵な話だと思いました。応援しています! (2020年7月27日 20時) (レス) id: 5ede4a8930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わんこ | 作者ホームページ:http://ki.iro.blu_e.re.d.//pu
作成日時:2016年7月28日 22時