B6-1 ページ4
軽い衝撃と共にエレベーターが止まる。
(それにしてもさっきの放送、なんやったんやろ……。上手く聞き取れへんかったし)
まだぼんやりとした頭のまま、フラフラとエレベーターから出て顔を上げると、そこに広がる不思議な景色に、思わず声が出た。
目の前はガラス張りで、その向こうには路面電車が走っている街が広がっている。遠くの方には高い謎のビルのようなものも見えた。
駆け寄ってよくよく見ると、『物語を紡ぐ商店街』、『夢物語』、『創作の海』等と書かれた看板があちこちにあって、電信柱や電灯も沢山ある。言葉のチョイスはよくわからないが、なんだか全体的にノスタルジックな雰囲気を醸し出していた。
外は夕方らしく、街の光も相まってオレンジや黄色、赤の柔らかい光が当たりを照らしていて、今立っている鉄の道にも反射している。
「……綺麗やな」
この場所をバイクで走れたら楽しいだろうなと、場違いにもそう思ってしまう程の美しくも優しい景色に、しばらくの間思わず見とれる。
暖かい光に少し気持ちも明るくなって、外の景色を楽しみながら先に進むと、ガラスの壁に、またあの気味の悪い文章が白いペンキで書かれてあった。
_ここにはフロアごとに似つかわしい者たちがいる_
_ その者は自分のフロア以外からは出てはいけない規則がある_
_ そのフロアの者に殺されたくなければ、別のフロアへと上がるほかない_
その文章に一気に現実に引き戻されて、ショッピは思わず顔をしかめる。すっかり楽しんでたが、そんなことをしている場合じゃない。早く外に出ないと。
(殺される……ここは本当にどういう場所なんやろ。外の景色を見るに、聞いたことのない国やとは思うけど……やっぱ嫌な予感がする…)
そのとき、ピィピィと小さくて微かな鳴き声が聞こえてきた。
(…………小鳥？)
鳴き声が聞こえた方を振り返ると、深海のような暗い通路が続いていて、その奥から小さな小鳥の鳴き声が聞こえてきている。
漠然と、その先に進むのは怖い気がした。
先に進むのを躊躇するショッピの耳に、『ショッピ』という誰かの声が聞こえてきた。
(そうや……。はやく、家に戻らないと……)
酷く優しくて安心する声と、小鳥の鳴き声に背中を押されて、ショッピはまるで水の中へと潜っていくように、軽く息を止めて暗い通路に足を踏み入れた。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
