B6-2 ページ5
暗い通路の先は、さっきと変わって夜がくる寸前のように薄暗い、裏路地のような荒れ果てた場所が広がっていた。
壊れて草に覆われたキャンピングカー
劣化したコンクリートがむき出しの地面
誰かがそこに居たと思わせる酒瓶と煙草の吸殻
そんな中に一つだけポツンっと立っている電灯
さっきのノスタルジックな雰囲気の場所とは違い、どことなく物悲しく、錆び付いた雰囲気の場所だった。
小鳥の鳴き声をたどって、ショッピはキャンピングカーの中へ入る。ギシギシと音を立てながら進むと、一番奥の机の上に、小さな巣箱が置かれてあった。
その小さな入口から、真っ白い小鳥が顔を覗かせ、何かを訴えるように鳴いていた。
ショッピはしゃがみながら愛用の黒い手袋を外し、そっと手を差し出す。
「ほら、怖ないよ。おいで？」
小鳥はふるふると震えながら、恐る恐る掌へと登ってきた。よく見ると、小鳥の左の翼には、赤いシミができた包帯が巻かれてあった。下手くそな巻き方の包帯の隙間からは割り箸が見える。
支えのつもりなんだろうが、全く意味を為していない。
ショッピは鞄の中に入っていた救急セットの中から包帯を取り出し、まるでプレゼントを包むように、小鳥の体に巻き直す。
「これでよし…っと」
ショッピは小鳥を掌に乗せたまま、少し辺りを散策した。が、めぼしいものはなにもない。
落胆したその時、通路の奥から小さな足音のようなものが聞こえてきた。
それを聞いた小鳥は、ぴょんっとショッピの手から逃げ出すと、傷ついた翼を広げて、フラフラと音の方へ飛んでいく。
「あ！待って…！」
小鳥の後を追いかけてまた元の場所にでると、目の前にいた小さな人影に、思わず喉がヒュッと音を立てる。
そこにいたのは、細くまだ成長途中であろう背丈の少年。眠たげな顔をした少年は、黒い短パンに無地の白いTシャツ、そしてこれまた無地の大人サイズの紺のパーカーを着ている。そして小さな左手には、人なんて簡単に殺せてしまうだろう、死神が持っているような大鎌が握られていた。
「…誰？お前は…生贄？」
温度のない冷たい声にそう聞かれて、ショッピは思わず後ずさる。
そのとき、どこからか『5……』という不吉なカウントダウンの声が聞こえてきた。それを合図に、少年ははっとした顔になって、ショッピを追いかけ始める。
反射的に踵を返して、元きた通路を駆け出した。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
