B4-9 ページ18
亀裂の前に戻ってきたはいいが、中はさっきよりも暗く、少し先も見えなかった。どうしようか悩んでいると、足の先に硬い箱が当たる。
なかには古い懐中電灯と、また紙片が入っていた。
『戸惑うことは何もないわ。
私とあなたの望みは、ピッタリなのだから』
ショッピはピクリとも表情を変えずに紙片を捨て、先へ進む。懐中電灯の電池は余り持ちそうになかった。頼りない灯りを頼りに最奥へ進む。
その間も、気味の悪い紙片がヒラヒラと落ちてくる。
『あなたの望みを叶えてあげるわ。
でも、私にも望みがあるの』
『できればあなたの方から身を預けて欲しいの。
ほら、"両想い"って素敵でしょう？』
(……お化け、なわけないか)
まあ、そうじゃなくとも気味悪いのだが。
薄気味悪さを噛み殺しながら、ショッピは一番奥の部屋にたどり着いた。壁の前にあったくぼみが床から盛り上がって、スイッチになっていた。それは池に沈んでいたものと似ている気がする。
そっとスイッチの上に立つと、カチッと音がして、行き止まりになっていた壁が動き出して、シャッターが閉まるみたいに、天井に吸い込まれていった。
(壁やなかったんや……)
驚きながらも、恐る恐る先に進む。通路の先には、【電源室、第3墓場】と書かれたプレートが貼り付けられた扉があった。
(もしかして……エレベーター？)
少し嬉しくなって扉に足を踏み出したとき、天井から花びらのような白い紙片が落ちてきた。
『私は、あなたのことよくわかるわよ。
あなたは死にたいんでしょう？
ねぇ、だから____
"yes"と答えて』
それを見た瞬間、ショッピは世界にある全ての音が消えた気がした。
耳の奥で滲んだ鈴の音がなって、目の前がだんだんと暗く、蒼くなっていく。瞼の裏には、偽物みたいな青い月が浮かぶ。
そこで懐中電灯の明かりが消えて、ショッピはようやく我に返った。今は自分のことより、向こうで待っているAのことが先だと、元来た道を戻ろうとした。
その時、
「ねぇ、ショッピさん、私があなたの望みを叶えてさしあげるわ」
という不気味な声が、耳元で聞こえてきた。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
