B4-10 ページ19
「…………え？」
急いで飛び退くと、懐中電灯の明かりがつく。明かりが照らす先には、鉈を手にしたメイソンが立っていた。
「うふふっ、そんなに驚かないでちょうだい。
ねぇショッピさん、私の恋文、全部読んでくれたかしら？」
ふわりと笑って近づいてくるメイソンに言いようもない気味の悪さを覚えて、思わず後ずさる。そのまま踵を返して逃げようとすると、行き止まりになっていた壁がガシャンっと閉まる。
「あ……」
｢あらあら、逃げなくてもいいのよ？
私は他の方みたいに、突然殺したりなんてしないわ。
それに私は、ショッピさん、あなたの望みを知っているの」
「俺の……望み……？」
訝しげにそう聞くと、メイソンはにっこりと美しく微笑んで頷いた。どうして自分でもわからない望みを知っているのだろう。気味が悪くて、思わず眉が寄る。
「えぇ、そうよ。
私はね、あなたをよく知っているの。
____あなたの…周りのものがどうなったかも、ね。
だから、私ならあなたを楽に殺してあげられるし、あなたにピッタリのお墓も作ったわ。もちろん、気に入らなければまた新しく作ってあげるわ。
……私たちきっと歳も近いし、きっと気が合うと思うの。
だから、あなたの望み、教えてくださいな」
にっこりと笑うメイソンの言葉に、ショッピは困惑の表情を浮かべていた。
望みと言われても、わからない。
何も覚えていない。それになにより、ここでショッピ自身の望みが叶うとは思えなかった。
「もう、焦れったいわね。
あなたの望みは、
______誰かに殺されることでしょう？」
メイソンが放った言葉を理解した途端、頭には金槌で殴られたような衝撃が走った。目の前に、思い出したくもないことが濁流のように流れている。
でもそれは自分が望んだことに繋がるとは思えなかった。たしかに思い出したくもないけれど、そんなに大袈裟なものではなかった。
それでも頭の隅の本能のような部分が、「死にたい」と喚いていた。
いつまで経っても黙ったままのショッピに、メイソンは痺れを切らしたらしい。
「……もしかして、あの子のせい？
ねぇ、なぜAといるの？」
それにもショッピは答えない。
ただただ、薄気味悪い女性を見つめた。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
