名前がめちゃくちゃ長いとき、書類の記入するコマが足りなくてどうしようって困る人は一定数いる ページ4
依頼人の勤務時間は午後1時から5時まで。シフト制で、希望を出せば午前休、午後休が可能になる。
大きな店舗というだけあり、ネイリストの数はそれなりに多い。中には子どもを持つママも在籍しており、保育園やら幼稚園やらのお迎えに間に合うように申請を出している従業員も少なくないという。
依頼人も予定がある日は午前休、もしくは午後休にしてもらい午前、午後いっぱいと働いていたがストーカーが現れてからは長い時間働くことができず、閉店より早く退勤することが多くなっていた。それもまたひとつの悩みだとも零している。
その件のストーカーだが、今のところ現れる様子は無い。狂死郎と八郎を最後に、店に現れる男性はいない。
「……来ませんね」
「幕府の勘定方っつーからにゃ、平日は来ねぇんだろ」
「でも、しょっちゅう現れるみたいなこと言ってましたよね。てことは、向こうも半休出したり、休み時間とかで出てきたりするんじゃないですか?」
「頻繁に半休出してたらそれだけで疑われるだろうよ。
で、ジミーから連絡は来たか?」
「それが、山崎さんと連絡がつかなくて……」
「ったく、肝心なときに役に立たねーな」
ネイルサロンの向かいにある無料紹介所にて。
ボケっと店先を眺める男たちを通行人がちらちら見るも、すぐに興味をなくし目的地へと向かう。
神楽は日差しが強くなってきたため、一旦万事屋に帰るとその場を後にした。こういうときだけ律儀に設定を守る子である。
「勘定方、
「大貞兼っていえば、代々幕府の財務関係に勤める金庫番として有名ですよ。以前、九兵衛さんが言ってました」
「ぁん? なんで九兵衛の名前がそこで出てくんだよ」
「将軍家への剣術指南で、お城に出入りすることも少なくないみたいですし」
「あー……そういやそういう設定だったか」
「設定とか言わないでくださいよ。
この名刺も、本物の可能性が出てきましたね。信憑性があるというか」
「わかんねぇよ? どこぞで拾ったの自分のものにしたかもしんねーし」
「そんなに迂闊に名刺落としますかね……」
この町で酔っ払いが荷物を放り投げ奉行所に届けられることなどは日常茶飯事だ。しかし、ときには財布の中身をくすねる輩もいる。もしやその類いかもしれない。
せめて、ストーカーが幕府関係者なのかどうかだけでもハッキリさせたい、と悩む眼鏡。そのレンズが、ある知り合いを捉えた。
なんにせよ、初期の設定は大事にしろ→←女にはナチュラルだのなんだの言うくせに男はナチュラルになれないもの
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ワッフル魔神(プロフ) - 更新待ってました!これからも応援しています!更新頑張ってください‼️ (4月2日 20時) (レス) id: 144fda3ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2024年3月27日 8時