坂田家の食卓を救いし幼子 ページ26
それからというものの、女神の気まぐれは止まることを知らず。
「どの順番でゴールするのか」という予想はバラバラではあったものの、1番は当たり、次着と3着は違うものの番号は同じというミラクルが発生。ちなみに沙代は6・3・1の順、美菜は6・1・3の順で予想し、これは沙代が当たった。銀時も予想してみたが完全に外れた。
また、順番だけでなく「あのお馬さん、暴れん坊さんだからお道外れるね」などと口にしたときには見事にコースから外れた。期待のサラブレッドだっただけに観客からのブーイングは凄まじかった。
初っ端のハズレを取り戻すどころか大当たり連続の大勝利である。手持ち金が倍額に増え、気を良くした銀時は帰り道に子どもらにラムネを買った。けして自販機よりも安いからとか、そんなんじゃない。欲しそうに見てたもの。
「ありがとーございます!!」と笑顔を向けられて頬が緩まない大人がいるだろうか。いるとしたらそれは人の心がない人間だ。
そうこうしているうちに日が傾いてきたため、姉が働くスナックに足を向けたのであった。抱っこしてやろうかと聞いたらいいと遠慮された。俺加齢臭とかないよね? とちょっと悲しくなった。
「凄いですね、美菜ちゃんに沙代ちゃん……そんなに当たるもんなんですか?」
「試しによォ、俺が予想した馬見せたら『真ん中あたり』って言われてよ。真ん中ってなんだよって思ったら、順番の話でよ。ちょうどぴったし真ん中に着いたんだわ。すごくね?」
「もしかして、そういう読むのが得意なのかもしれませんね。
ほら、いつだったかAさんもパチンコで最初から確変出たじゃないですか」
「あれァお前、俺が丹精育てた閻魔○いが応えてくれたんだよ」
「でも、ひょっとしたらそういう運の持ち主なのかもしれませんよ」
「宝くじで1等当てるってか? そりゃあお前、夢見すぎだよ」
兄と姉の膝で暴れながら話す末妹と、落ち着いてゆったり喋る三女。お馬さんがね、速くってね、と内容はそれぞれ同じようなものだが、上の姉弟たちは微笑ましげに耳を傾けている。
お馬さんまた見たいと沙代が言うが、それはちょっと、と姉のストップがかかった。さすがに幼女が何度も競馬場に足を運ぶのは些かよろしくないのでは。
長男が神社への参拝はどうだと提案すると、すぐそちらに興味が移ったようだ。まだ回りきっていない箇所があるらしく、もう何冊目になるか分からない御朱印帳を持って御朱印を貰いに行くのだと意気込んでいた。
それぞれの食卓事情→←あてっこゲームは大人も子どもも好きなもの
837人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ワッフル魔神(プロフ) - 更新待ってました!これからも応援しています!更新頑張ってください‼️ (4月2日 20時) (レス) id: 144fda3ce7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2024年3月27日 8時