スナックお登勢の末っ子さん【坂田銀時】 (ページ25)

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あてっこゲームは大人も子どもも好きなものページ25

銀時の手に握られた茶封筒はやけに厚みがある。閉じられていない封から見えるのは、紛うことなき勝者の証。

まさか当てたのか。あのギャンブル大負けがデフォルトの銀時が。勝利の女神に見放されまくってるクソ天パが。

「ぎ、銀さんそれ、もしかして」

「やべえよぱっつぁん。こここここれマジで？俺夢見てる？ちょっと一発殴ってくんない？」

「オルァアアアア!!!!」

「ごふァっ!!」

ドシャアアアア、と盛大に吹っ飛ばされた銀時の頬には見事な拳の跡がくっきり刻まれている。女の子とはいえ夜兎族。拳一つで地球人は伸されてしまう。友人たる次女は「神楽ちゃん、すごい」と呟いた。

気絶しかねない勢いだったが、打たれ強い銀時はすぐに起き上がり、いててと頬をさする。どうやら夢ではなかったらしい。

「大丈夫ですか、銀さん」

「お、おお。マジか、夢じゃなかったわ。夢だけど、夢じゃなかった」

「トト○じゃないんですから……

それにしても、よくこんな当てましたね。普段なんて小銭どころか封筒すらなくなってるのに」

「いやいや、今日はひと味違ったのよ。いやぁ、勝利の女神ってのは意外と身近にいるもんだってな」

「え？それって……」

鼻血を垂らす男の目先には、本日の女神ことちびっ子のお連れ様2人。姉たちの膝に座り、たまやキャサリンと戯れる姿はどこからどう見ても子どものそれだ。

銀時は新八たちと別れ、例のごとく美菜と沙代を連れて競馬場に再戦を果たしに来た。モニターを見上げて本物のお馬さんだ、と目を輝かせる子どもたちの傍らでハナクソをほじる大人はどう見ても事案待ったなしだ。

銀時の目当てはお馬さんではなく払い戻し金なので、己の勘を信じてアタリをつける。
子どもらには、簡単にどの馬が当たるか予想するんだと説明した。ふーんと理解しているんだかそうじゃないんだか分からない返事をされたが、周囲の大人たちの勢いでなんとなくわかったようだった。

と、ここで女神の気まぐれが発動する。何の気なしにあてっこゲームしようと言い出し、2人揃ってモニターをじっと見つめ、「4番!!」と高らかに宣言したのだ。

最初はもちろん、子どもの遊び感覚でしか見ていなかった。4番の馬はあまり速くなく、いつも下位にいるのが当たり前だった。

が、番狂わせは早々に始まった。

『シルバーパッド!! シルバーパッド!! なんということだ!! 4番、シルバーパッドが躍り出た!! そして!! そのまま、ゴーーール!!』

「……ウソだろ、」