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一難去るどころか一難背負って戻ってきた ページ18

「「「はーーーーァ……」」」


三者三様にマリアナ海溝より深い溜め息が出た。外はあまりにも晴天だというのに、万事屋の居間は今にもキノコが生えそうなほどジメジメした空気が漂っている。煌々と灯りが点いているはずが、曇天に覆われているようなのは気のせいだろうか。


結局のところ、依頼料は払ってもらえたがそれまでの押し問答が厄介だった。

新八の読み通り、依頼人は銀時に惚れ込んでいた。今回は木刀を振り回したわけでもグッとくる名言を吐いたわけでもないのに、自分を守ってくれる人にキュンとしてしまったのだとか。依頼だと何度も言っているのに。


「お金を払ってしまったら、もう会えなくなるんですか」

「もう少しだけ、そばに居てくれませんか」

「お願い。あなたがいいんです」


昨今の少女漫画でも使い古されたような台詞を吐く依頼人に、銀時は屍のような目で鼻をほじりながら繰り返す。

依頼だから、と。

それ以外でもそれ以上でもそれ以下でもない。依頼だから引き受けた。 依頼を紹介してくれたお妙の顔を潰すのか、と。

ここで引き下がってくれればよかったのだが、なぜかお妙の名前を聞いた途端に眼が鋭くなった。

お妙ちゃんとお付き合いしてるんですか、と。


そんなわけが無い。誰があんな暗黒物質(ダークマター)生成機の断崖絶壁限界女と付き合うかと首を振ると、何か諦めたような顔をして依頼料を支払い、立ち去った。


「今日のところはこれで失礼します」


などと、物騒な台詞を言い残して。


そして依頼人が去った後、冒頭の溜め息である。

きっと、依頼人は銀時に惚れている。真面目な顔でストーカーに叱責していたのが原因か、それともまた別か。理由は分からないが、きっとそうだろう。

お妙の名前を出したときの表情に、神楽は覚えがある。漫画で好きな人に『好きな人いるの?』と聞いたとき、『そんなんいねーよ』と言いながら背景に想い人を背負う演出で主人公がした顔だった。

つまり、依頼人は銀時がお妙と交際している、もしくはお妙に矢印を向けていると勘違いしたのだ。本人たちとしては矢印どころかお妙に給料払えと薙刀を突きつけられているのだが、第三者は知ったことでは無い。


「多分、あの人また来ますよ……」

「どーすっかなァ……」

「銀ちゃん、しばらくボデーガードの依頼ナシにするアル。猫探しとかの方がいいアル」

「つっても、仕事選べねぇしな…」

「……とりあえず、家賃支払いに行きましょうか」

後日談って人によるけど結構楽しみにしてる→←契約金は念書に記すべし



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ワッフル魔神(プロフ) - 更新待ってました!これからも応援しています!更新頑張ってください‼️ (4月2日 20時) (レス) id: 144fda3ce7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2024年3月27日 8時

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