オタクが本当に欲してるのは、登場人物が実際に使ってたグッズとかそういうもんなんだよ ページ5
沖田が懐から取り出したのは、かの作家の作品の一つ。
発売されてそれなりに月日を経過しても、今なお人気を誇る一作である。
「ンだこれ……【石楠花に石を打つ】？」
「とある大富豪の使用人が下克上するっつうストーリーなんですがね。 ただの使用人から上級使用人、更には屋敷の権限ごと握って最終的には裏社会ごと手中に収めるっつーとんでもねぇ話でさァ」
「ぁあ？ ンな荒唐無稽なことできるわきゃねぇだろうが」
「これだから土方さんは。あくまでフィクションですぜ」
「フィクションだろうがなんだろうが、有り得るかってんだよ」
「つまらねえお人だ。
んで、作中に出てくる【
「知らねぇよ。ンな異国の文化なんざ、興味もねえ」
ふぅ、と紫煙を吐き出して話は句読点が打たれた。ちぇ、と小さく口をとがらせる沖田をよそに、シャッターが上がった書店に目を光らせる土方。その目線の先には、今か今かと待ちわびる岡 都々喜ファンの姿がある。
開店するやいなや、店頭で行列を作っていた客が徐々に店内に吸い込まれていく。その手には岡 都々喜の新刊が握られ、一人3冊までという制限を掛けられながらもこっそり4冊目を取ろうとする猛者もいた。
が、そこはあくまで書店員の役目。同じく目を光らせたエプロン姿の店員が、制限以上の冊数を抱えた客に注意していた。
「しっかしまぁ、出版社も考えますねィ。予約特典がスピンオフの書き下ろし、しかも人気漫画家の挿絵とくらァ垂涎物でさァ」
「知ったこっちゃねえよ。だいたい、スピンオフだろうがブッ○オフだろうが、物語で完結するモンだろうが」
「分かっちゃいねぇなぁ。登場人物のその後を読みてぇやつなんてごまんといまさァ。例えば、土方さんがよく観る【えいりあんVSヤクザ】のアニキだって、映画の後どうなったとか知りたくねぇんですかィ」
「そりゃあ、えいりあんを倒した後のアニキがどうしてるかは……まぁ、気にならぁな」
「それと同じでさァ。物語でモブ扱いされてた奴が実は、みたいなパターンもありやすからねェ。なんでそうなったかとか、背景を知りたがる奴は一定数いるんでさァ」
「……お前、なんでそんなに詳しいんだ？ ついこの間まで本なんざまともに読んだためしが無かっただろうが」
「芋侍でも多少の世間話くれぇできねぇと、お上に愛想尽かされちまうんでねィ」
「つまらん男で悪かったな」
白昼堂々としていればどんな人間でも大抵その場をやり過ごせるもんだ→←オマケとか特典とかが欲しいならそれだけ販売してくんねーかなってこと、あるよね
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スミカ - 物凄く面白いです。高杉との絡みが最高に好きです！決して行き過ぎたチートじゃないとこも好きです。応援してます (4月13日 17時) (
レス) @page19 id: daf320e252 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pillow | 作者ホームページ：
作成日時：2024年2月17日 21時
