食欲と睡眠欲はなんとか持って生きてます ページ3
プチ同窓会さながら、昔の話で盛り上がったり今は何をしてんだと話したり。たまに騒がしいと注意されることはあったが、銀時と坂本は慣れているのかへらへらしていた。
食事も終えても尚席を立つことはなく、じゃあそろそろというタイミングで伝票を茶色のもじゃもじゃに押し付けた。奢ると言われたから素直に甘えることにする。
「あー、食ったァ」
「う、夕飯要らないかも……」
「アハハハハハ!!! 財布が軽いぜよ!! 帰れるかのぉ、わし」
「うっぷ、やべ。食いすぎたかな……」
「メイン3つにデザート4つは食べ過ぎだよ。チョコパの後にチェリーパイって」
「限定ってあったら食いたくなるだろうが……」
「どこの女子？」
坂本は艦に帰ると言い、途中でお別れした。久しぶりに会えて嬉しいと、太陽のような笑顔を魅せてくれた。
銀時と並んで、かぶき町に向かう。こちらも別れていいのだが、真っ直ぐ帰る気になれないのだ。
「なに、お前。こっちに用あんの？」
「ない」
「ねぇのかよ。あんまフラフラしてっと、ろくでもねぇキャッチに捕まんぞ」
「あれ、心配してくれてる？」
「おめーみてぇにボケっとしてるやつほどタカられんだよ。相当稼いでんだろ？ 大作家先生よ」
「さぁ、最近通帳見てないから分かんないや」
「うっわ、言ってみてぇわそんなセリフ。残高2ケタいかねぇんだぜ、ウチ。すげくね？」
「なんで生きてられるの、君」
「オイ、人をゴミを見る目で見んじゃねーよ」
【かぶき町一丁目】と掲げられた、錆びれた看板の向こうにはネオン輝く夜の歓楽街が活動し始めている。
客引きのキャバ嬢や、プラカードを持った若い男。顎髭が青いオカマに、きらきらしたホスト、大きな花が店頭に飾られているキャバクラ、ピンクの看板が妖しいちょっとアレな宿などが軒を連ねる。
閑古鳥なんて知るかとばかりに人々が行き交う町は、本音と建前が綯い交ぜになる世界だ。
お兄さん寄ってかない、と視線をつられた先は風俗店。膝よりも丈が短い、肩をさらけ出す着物からはちらりと谷間が覗く。銀時は真顔で鼻血を出し「ちょっと休憩していかねェか」と誘ったが「一人で行きなよ」と進んだ。金がないのになぜ行こうとする。
「オメーマジでなんとも思わねぇの？ あのマシュマロのお山にさぁ、顔挟めてみてーとか無いわけ？」
「ない。言ったじゃん、そういうの興味ないって」
「欲どこに捨ててきたんだよ…」
「生まれた時に臍の緒と一緒に流されたんだよ」
普段誰かいる家は、一人になると途端に寂しい→←三人よれば馬鹿の知恵
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うす - 更新ありがとうございます…！この作品が大好きです応援してます！ (9月19日 22時) (
レス) @page50 id: d6b5e366a4 (このIDを非表示/違反報告)
oyz031(プロフ) - とても面白く、興味深いお話で続きが気になります。応援しています (8月30日 0時) (レス) @page49 id: 7ddb3de917 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - いつまでも更新お待ちしております、！ (5月21日 18時) (レス) id: c35eeb83bd (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最近めちゃくちゃ更新されてますね！すごく楽しみにしてるので嬉しいです！無理のない範囲でこれからもお願いします！ (2023年4月22日 20時) (レス) id: 19052b8914 (このIDを非表示/違反報告)
モブ - ものすごくこの小説が大好きです！次の話に進むたびドキドキしてしまいます...!!! (2023年3月24日 2時) (レス) id: 24c7afdf4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pillow | 作者ホームページ：
作成日時：2021年3月1日 15時
