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見覚え ページ44

「あの……Aさん?」

急に声をかけられたので、少し飛び跳ねて驚いてしまった。
そのときの着地で左足に違和感があったのは、考え過ぎだよね……。

「はい?」

声の主は若い男性だった。新人のスタッフらしい。
この人、見覚えある……。

「あ、カノン大会のときの!?」

あのとき私にわざわざ謝りに来てくれて、私のお願いを聞いてくれた人。

「! はい! そうです!
あのときは本当に申し訳ありませんでした!」

「いえいえ。私の方こそ、急なお願いしてしまって申し訳ありませんでした」

頭を下げた時に、この方が首から下げている名札が目に入った。
その文字は『シアズム』だった。

「もしかして、エデルさんの……」

「エデルのこと、ご存じなんですか!?」

シアズムさんの目が真ん丸になった。

「はい。この前偶然出会って。前の大会にエデルさんを誘ってくれたんですよね。
ありがとうございました!」

「そんな、お礼を言われるほどじゃ……」

シアズムさんは照れ臭そうに手を頭に回した。

「それで、要件はなんでしょうか」

わざわざ呼び止めたのだから、何か用事があったはずだ。

「要件というか、伝えたいことなんですけれど……。
実は僕、Aさんのファンなんです。だから今日の大会をすごく楽しみにしていて。
頑張ってくださいね!」

そう言われると「頑張ります!」としか返せない。

これだけキラキラした目で見てくれているんだもの。頑張らなきゃ。
きっと大丈夫。大丈夫……。

「あ、そろそろ始まりますよ。じゃあ!」

シアズムさんは舞台機材のあるところへ駈け込んでいった。

私も舞台の端から舞台を覗き込みに行った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【アラン視点】

客席には大量の人。現カロスクイーンのエルがゲストだから、当たり前か。

「アラン! こっちです!」

手を挙げて俺を呼ぶのは、エデル。その隣にはフューネ。

彼らは最前列に陣取っていた。

「よくこんないい場所が取れたな」

そう言いながら、彼らの隣に足を運ぶ。

「Aさんの為ならこれくらいどうってことないですよ。
あなただってそうでしょう?」

爽やかな笑顔でそう言うものだから、憎もうにも憎めない。

「最初はゲストのエルさんのパフォーマンスで、その後に一次審査です。
もうすぐ始まりますよ」

エデルがそう告げたと同時に、司会のピエールが舞台に上がった。

カノン大会のときと同じような挨拶をして、早速エルのパフォーマンスにつなげる。

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設定タグ:ポケモンXY , アラン , バトントワリング   
作品ジャンル:アニメ
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頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます!続編にまたぐ感じで、アランの計画が露見していきます!お楽しみに! (2016年10月16日 12時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
夢代ツバキ - 頂志桜(サム)さん» アラン、何する気なのかな?まさか、ピアノだったり・・・?ドキドキが止まんないです。頑張ってください (2016年10月16日 11時) (レス) id: 39392b36ad (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ユーさん» ありがとうございます!優しいというか、過保護というか……。そんなところを気に入ってもらえると嬉しいです! (2016年10月14日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
ユー - アラン、優しい!続き、楽しみです! (2016年10月14日 15時) (レス) id: fa9502f7ab (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます! 寝てる最中にそんなことされてるとは、本人は知らないんですよね〜。本当はちゃんとそこらへんも掘り下げたかったんですけれど、何しろ話数がきついので……。 (2016年10月13日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年9月30日 18時

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