とうとう ページ43
部屋に帰ってからは、特筆するべきことはなかった。
いつも通りアランがカレーを作って、それを食べて、お風呂に入って、寝た。
『アレ』はもう終わったようで、初日のあの痛みはなんだったんだと思うくらいの平穏さだった。
左足は……わからない。
そして、私はとうとう本番の日を迎えてしまった。
目が覚めたのは5時。不安で寝た気がしなかった。
会場入りは8時。受け付けは7時半という、なんと朝早い大会だろう。
この間のピエールによるテレビ放送で「エルさんの予定がその時間しか合わないから」って言ってたから、しょうがない。
あと2時間半。練習しようかとも思ったけれど、絶対アランに止められるだろう。
上のベッドで寝ているアランを起こさないようにそっと体を起こし、なるべく音の出ないようにホロキャスターを持ってベランダに出る。
ホロキャスターの音量を最小にしてから、今回私が踊る曲をかける。
「〜〜〜〜♪」
かわいらしく、聞いているだけで元気になれる歌。
つい口ずさみ、自然と笑顔になる。
――大丈夫。昨日あれだけやって、アランのお墨付きもらったじゃない
そう言い聞かせて、夜明け前の寒いエイセツの街を眺める。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アランが起きてきて、すぐに朝ご飯のカレーを食べ、準備を済ます。
「A、そろそろ時間だぞ」
「わかってます。行きましょう！」
意外に時間って早いんだな……。もっとゆっくりでいいのに。
そんなこと思っても、時間が止まってくれるわけもなく、私たちはトライポカロンエイセツ大会の会場にたどり着いた。
どうやら今回は屋外ステージらしい。
こんな寒い中、よく屋外でやろうと思ったね……。ま、動けば熱くなるけれど。
「じゃあ、行ってこい」
「はい！」
私は受け付けを済ませ、出演者待合用のテントに入って待つ。
アランはすでに大量のお客さんが待ち構えている客席に紛れ込んでいった。
現在私はテントで着替え、髪のセット、メイク、ラルとアステの着替えを済ませ、ぼんやり待っている。
衣装はこの間と同じ、白のオーガンジーショートドレス。
髪型は高めのツインテールにしてみた。この前とのギャップを見せつけてやるっ。
ほかの出演者はエルさんの話題で盛り上がっている。それもそうだよね。
だけど私はその輪に加わることをしなかった。
エルさんに興味がないとか、そういうことじゃない。そうじゃないけれど、左足が心配で。
居心地が悪いので、一度テントから出てみた。
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頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます！続編にまたぐ感じで、アランの計画が露見していきます！お楽しみに！ (2016年10月16日 12時) (
レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
夢代ツバキ - 頂志桜(サム)さん» アラン、何する気なのかな?まさか、ピアノだったり･･･?ドキドキが止まんないです。頑張ってください (2016年10月16日 11時) (レス) id: 39392b36ad (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ユーさん» ありがとうございます！優しいというか、過保護というか……。そんなところを気に入ってもらえると嬉しいです！ (2016年10月14日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
ユー - アラン、優しい！続き、楽しみです！ (2016年10月14日 15時) (レス) id: fa9502f7ab (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます！ 寝てる最中にそんなことされてるとは、本人は知らないんですよね〜。本当はちゃんとそこらへんも掘り下げたかったんですけれど、何しろ話数がきついので……。 (2016年10月13日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年9月30日 18時
