最終日 ページ42
【A視点】
遠慮がちに差し込んできた太陽の光で目が覚めた。
実質、今日が練習最終日なんだよなぁ。明日はもう朝から本番だから、練習する時間はない。
「おはよう」
既にアランは起きていたようで、カレーを作ってくれている。
この光景もだんだん見慣れてきちゃった。
「おはようございます」
二段ベッドの下に寝ていた私は流れるような動きで地に足をつけた。
本当はもう上側でもよかったんだけど、アランが『下で寝ろ』って言って聞かないからね。先に上で寝られちゃったし。一緒に寝る勇気はないわけで、まんまと乗せられたわけだよ。
「足、どうだ？」
「大丈夫……だと思います。はぁ」
ため息が出る。本当に大丈夫かな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
朝ご飯を食べ終わり、昨日と同じくバトルフィールドに向かう。
昨日と同じように練習して、昨日と同じように隣ではアランとリザードンが特訓していて、昨日と同じように足の動きが鈍いのを感じた。
全く変わってない。
このまま、足の動きが鈍いままでトライポカロンに出ても、優勝は難しいだろう。
エルさんも見るかもしれない舞台。どうにかして治さなきゃ。
「はわっ！！？」
そんなことを考えながらやっていたせいで、バトンが手から滑り落ちて、しかもその落下予定位置には私の額。
ヤバい、当たる……っ！
「よっと……」
ギュッとつむった目を開くと、バトンは静止していた。
アランが止めてくれたみたいだ。
「そんなに焦るな。焦ると余計悪い方向に行くってのがこの世の理だ」
バトンで軽く、コツッと私の額を叩いた彼。
「でも、どうにかしないと……」
「だからお前は今こうしてるんだろ」
彼は微笑んでバトンを渡してくれたけれど、私は上手く笑えなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それからも昨日と同じようにお昼を食べ、またバトルフィールドに戻ってきて、練習の続き。
「1,2,3,4……1,2,3,4……フィニッシュ！！」
「ティニ！」
「メラ！」
最後まで通しでやってみたけれど、なかなかいい感じ。
左足はまだちょっと不安が残るけれど。
「なかなかいい出来じゃないか？」
終わった瞬間、横から声をかけられた。
どうやらリザードンの特訓を一度止めて見ていたらしい。
「はい……。ただ、左足が追いつくのがやっとで」
「それでも、見ている分にはわからなかったよ」
考え過ぎ、なのかな。
「今日は早めに終わろう。明日に備えてゆっくり休め」
彼の言葉に甘えることにした。
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頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます！続編にまたぐ感じで、アランの計画が露見していきます！お楽しみに！ (2016年10月16日 12時) (
レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
夢代ツバキ - 頂志桜(サム)さん» アラン、何する気なのかな?まさか、ピアノだったり･･･?ドキドキが止まんないです。頑張ってください (2016年10月16日 11時) (レス) id: 39392b36ad (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ユーさん» ありがとうございます！優しいというか、過保護というか……。そんなところを気に入ってもらえると嬉しいです！ (2016年10月14日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
ユー - アラン、優しい！続き、楽しみです！ (2016年10月14日 15時) (レス) id: fa9502f7ab (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます！ 寝てる最中にそんなことされてるとは、本人は知らないんですよね〜。本当はちゃんとそこらへんも掘り下げたかったんですけれど、何しろ話数がきついので……。 (2016年10月13日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年9月30日 18時
