時の早さ ページ40
食べ終わった後、当たり前のように彼はお皿洗いをこなしてくれた。
ここまでされちゃうと、私何をやって過ごせばいいのやら。
「足が使えないなら、頭を使えばいい」
「じゃあ、一次審査何か考えてみます」
背中をシーツと密着させ、ぼんやり木の枠組みを眺めながら思考を開始する。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あちゃぁ」
考えても考えてもわからない。時だけが過ぎていった。
日が斜めに差している。時間ってこんなに早かったっけ。
視線を部屋の中央に向けると、アランがホロキャスターの映像を眺めているのが目に映った。
この音……『スケルツォ・フォコーソ』……。
ってことはそのホロキャスター、私のじゃん。まあいいけれど。
「あの、アラン。今何時です？」
「…………」
答えてくれない。というか答えられないと言わんばかりのオーラだった。
ものすごい集中力。
ここで声をかけちゃ悪いなと思い、またぼんやり木の枠組みを見つめていると、いつの間にか意識が消し飛んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「A……！ A……！！」
「はぅ？？」
目を開くと、予想通り彼の顔が間近にあった。
ずいぶん険しい顔をしている。
「あの……今何時です？」
「10時。朝のな」
…………え
「えええええええ！！？？」
勢いよく体を起こした私の額と彼の額が衝突して、彼の体が退いた。
彼は痛そうに額を抑えたが、苦笑いでこう言った。
「よく寝てたな。約17時間睡眠。どれだけやっても起きないから心配したんだぞ」
うん、そりゃあ心配するよね。17時間も目を覚まさなかったわけだから。
というか私、よく一度も目覚めなかったね……。
「朝飯……夕飯か？ まあどっちでもいい。
腹減ったろ、ほら」
またしてもカレーの入ったお皿が乗ったお盆が膝の上に乗せられ、隣に彼が座る。
『また』って言っても、17時間以上前のことなんだけどね。
「足の調子はどうだ？」
「痛みが全然なくて、怖いくらいです。
いっぱい寝たからかなぁ」
――だから今日は練習していいですよね！！？
視線でそう訴えかける。
「無理はするなよ」
「わかってます」
「わかってねえよ。だから昨日ああなったんだろ」
うぐ……。
正論が悔しかったから、いそいそとカレーを口に運んで紛らわせる。
「昨日のことはちゃんと見てあげられなかった俺の責任でもある。だから今日はずっと一緒にいさせてもらう」
それ、言い方が悪いとストーカー行為だと誤解されるよ？
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頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます！続編にまたぐ感じで、アランの計画が露見していきます！お楽しみに！ (2016年10月16日 12時) (
レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
夢代ツバキ - 頂志桜(サム)さん» アラン、何する気なのかな?まさか、ピアノだったり･･･?ドキドキが止まんないです。頑張ってください (2016年10月16日 11時) (レス) id: 39392b36ad (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ユーさん» ありがとうございます！優しいというか、過保護というか……。そんなところを気に入ってもらえると嬉しいです！ (2016年10月14日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
ユー - アラン、優しい！続き、楽しみです！ (2016年10月14日 15時) (レス) id: fa9502f7ab (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます！ 寝てる最中にそんなことされてるとは、本人は知らないんですよね〜。本当はちゃんとそこらへんも掘り下げたかったんですけれど、何しろ話数がきついので……。 (2016年10月13日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年9月30日 18時
