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雪の街 ページ34

アランの言う通り、目の前には大きな吊り橋。

「はぅ……」

長くて、風が吹くと大きく揺れる……怖い。
手が震えている。できることなら、行きたくない。

「怖い……です。……でも」

でも、行かないと。

「……わかった」

私の考えを察した彼が、さりげなく手をつないできた。

「手、離すなよ」

「……はいっ!」

手の震えは彼の手の強さに閉じ込められた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「どうだ? 怖かったか?」

結局、何事もなく渡り終えた。

「ううん。あなたが手を握ってくれたから」

突風も、それに伴う揺れも、この人がいてくれたから気に留めなかった。

「さ、ここからはすぐにエイセツだぞ」

エイセツへとつながるゲートへと足を踏み入れる。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さすが雪の街。視界が白に染まっている。

「ここで、やるんだぁ……」

この雪の中で、トライポカロンが開催されるんだ……。

「開催って、3日後だっけ」

「はい。なかなか時間ないですよね。頑張らなきゃ」

カノン大会よりは練習期間あるけれど。

「じゃ、ジム戦はその後の方がいいよな。今はトライポカロンに集中したいだろうし」

おお〜分かってくれた!

「アランが先にジム戦に行ってもらえばいい話なんですけれど……。
でも、私がジム戦観戦できないのは嫌なんです。
わがままなんですけれど、待ってもらえませんか?」

「もちろんだ。それまでに俺とリザードンも特訓する。
それはそうと、早めにポケモンセンターで部屋取りしておくぞ」

ポケモンセンターは近くにあったので、すぐに入る。


「はい、これが部屋の鍵になります。ごゆっくりどうぞ」

ジョーイさんの天使の笑みに笑顔を返し、アランと部屋に向かう。
もちろん今回も1部屋。

部屋の隅に荷物を置き、ホロキャスターと今朝着たTシャツとハーフパンツを取り出す。
アランがこちらに視線を向けてない瞬間を狙って、それに一瞬で着替える。

そして、最後に髪型をサイドテールにする。

「じゃあ、行ってきますね」

「おいその恰好……!?」

アランが「信じられない」というような眼差しで見つめてきた。

「お前、ここが雪の街ってこと知ってるよな!?」

「動けば熱くなりますって。じゃ」


部屋を出て、センター隣接のバトルフィールドに立つ。さすがに寒い。

ホロキャスターの音楽再生ボタンを押し、動き始める。

バトンはないけれど、イメージで。

「1,2,3,4……1,2,3,4……」

もっと、もっとキレをよく。

不運→←引き際も大事



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設定タグ:ポケモンXY , アラン , バトントワリング   
作品ジャンル:アニメ
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頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます!続編にまたぐ感じで、アランの計画が露見していきます!お楽しみに! (2016年10月16日 12時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
夢代ツバキ - 頂志桜(サム)さん» アラン、何する気なのかな?まさか、ピアノだったり・・・?ドキドキが止まんないです。頑張ってください (2016年10月16日 11時) (レス) id: 39392b36ad (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ユーさん» ありがとうございます!優しいというか、過保護というか……。そんなところを気に入ってもらえると嬉しいです! (2016年10月14日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
ユー - アラン、優しい!続き、楽しみです! (2016年10月14日 15時) (レス) id: fa9502f7ab (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます! 寝てる最中にそんなことされてるとは、本人は知らないんですよね〜。本当はちゃんとそこらへんも掘り下げたかったんですけれど、何しろ話数がきついので……。 (2016年10月13日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年9月30日 18時

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