突然の出会い ページ23
私に声をかけたその青年の顔をまじまじと見る。
どこかで見たような……。あ!
「もしかして、この前のトライポカロンを見てくれた方ですか?」
「そうです! 覚えていてくれたんですね! 嬉しいなぁ。
申し遅れました。僕はエデル。こっちは僕の彼女のフューネ」
エデルと名乗った青年は、照れ臭そうに隣の女性に視線を移した。
その視線を受け、フューネと呼ばれた女性は口を開いた。
「フューネです。私もトライポカロン、見ました!
美しいピアノ演奏に、ポケモンたちと一緒に舞うAさん……最高でした!!
あの後、奈落の底にAさんが落ちてしまったときは本当にどうしようかと思いました。
だけどポケモンたちがAさんを助け出して……ホント感動で声が出なくて!!」
凄い勢いで話す人だ……。
だけど、ここまで私のことをよく思ってくれているんだから、すごく嬉しい。
「すみません、フューネもAさんの大ファンで。こうやって会えて興奮しちゃってるんです。
ところで、そちらのお方は?」
エデルさんがアランに視線を向ける。
「旅の仲間って言ったらいいのかなぁ。まあ、そんなところです」
「アランだ。よろしく」
簡潔に自己紹介を済ませ、これみよがしに思考を飛ばしてきた。
――あまり時間かけるなよ
どうやら、私がこの二人と会話していることをあまりよく思っていないようだ。
彼の瞳に嫉妬の色が見え隠れしていた。
「へえ、Aさんのお兄さんかと思いました。
よろしくお願いします、アランさん」
「アランでいい」
なんだかんだ言って、自分も会話に加わってるじゃない。
「あ、私のこともさん付けじゃなくていいですよ。あと、敬語じゃなくて結構です。
私の方が年下ですから」
「そんな! Aさんは私たちの憧れですから!!」
フューネさんが目をキラキラさせながら私の提案を却下する。
「フューネ、気持ちはわかるけれど、A……ちゃんが、言ってるんだから」
エデルさんがなだめた甲斐があって、フューネさんは少し落ち着いたみたいだ。
「そうだね……。
Aちゃん、次のトライポカロンも出場するの?」
「はい! そのつもりです!」
そのためにバトンを猛練習しているんだ。
「確か、次はエイセツが開催地みたいだよ」
エデルさんが自信ありげにそう言った。
「そうなんですか? ニュース聞き逃したかなぁ」
「いやいや。まだ公開してない情報でね。
僕の友人が関係者で。その人から聞いたんだ」
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頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます!続編にまたぐ感じで、アランの計画が露見していきます!お楽しみに! (2016年10月16日 12時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
夢代ツバキ - 頂志桜(サム)さん» アラン、何する気なのかな?まさか、ピアノだったり・・・?ドキドキが止まんないです。頑張ってください (2016年10月16日 11時) (レス) id: 39392b36ad (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ユーさん» ありがとうございます!優しいというか、過保護というか……。そんなところを気に入ってもらえると嬉しいです! (2016年10月14日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
ユー - アラン、優しい!続き、楽しみです! (2016年10月14日 15時) (レス) id: fa9502f7ab (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます! 寝てる最中にそんなことされてるとは、本人は知らないんですよね〜。本当はちゃんとそこらへんも掘り下げたかったんですけれど、何しろ話数がきついので……。 (2016年10月13日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年9月30日 18時