客観視 ページ16
「ただいま帰りました〜！」
「早っ！？」
さっき部屋を出てから、3分くらいしか経ってないぞ！？
「だから言ったじゃないですか。『すぐ終わる』って」
「逆にこんな短時間で終わる用事とは何だったのか聞きたいぞ」
「ま、いろいろです。いろいろ」
曖昧に笑ってごまかされた。
Aは俺と向かい合うように座り、瞬時にスプーンを手に取った。食う気満々だな。
「いただきます！」
Aの口にドリアが運ばれていくのを見て、俺ももう一口食べる。
うんめえ……。二日目だからカレーのコクがさらによく出ていて、その旨味をチーズと米が増幅させる。
朝からカレーはどうかと思っていたが、だんだんそんなことどうでもよく感じてきた。美味いから何でもいい。
完全に俺、Aの思惑にハメられてるな。
「うん、なかなか美味しい！
パセリが雰囲気を出してくれるの、正解だなぁ。チーズの焦げ目もポイント高め。
あ〜だけどコンソメの量もっと多くしてもよかったかも。でもやりすぎるとカレーとケンカしちゃうし……」
なにやら一人で批評している。
その様子を見ていて、あることに気が付いた。
Aは客観視が得意なのだ。だから事の本質を見抜くことができて、思い通りに進ませることができる。
誇るべき才能だと思うのだが……。
『私には、もっともっと努力が必要なんです』
あの険しい表情は、一体なんだったのか。
こっそり思考を読もうとAの目を見つめる。
だが気付かれて、目を逸らされた。
「もう、読まないでくださいって……」
「すまん」
Aはよく気が付くからこそ、こういう時に困る。
そして気付かれたことが悔しい。
後で気付かれないように読んでやる……！
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「「ごちそうさまでした」」
例に漏れず、食べ終わるのは同じタイミング。
「お皿洗い、すぐに済ませるので、ジム戦の準備しておいてくださいね」
「言われなくても分かってる」
準備と言っても、さっき外に出るときにすべて済ませたが。
強いて言うならリザードンの様子を確認するくらいか。
リザードンのモンスターボールを取り出す。
「リザードン、調子はどうだ？」
モンスターボールが上下に揺れる。大丈夫そうだ。
「絶対に勝ってやるぞ。ラルとの連携を頼む」
もう一度縦に揺れる。了承のサイン。
「お皿洗い終わりました〜」
ちょうどいいタイミングでAが台所から出てきた。……って！？
「だからお前、仕事早すぎだろ！」
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頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます！続編にまたぐ感じで、アランの計画が露見していきます！お楽しみに！ (2016年10月16日 12時) (
レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
夢代ツバキ - 頂志桜(サム)さん» アラン、何する気なのかな?まさか、ピアノだったり･･･?ドキドキが止まんないです。頑張ってください (2016年10月16日 11時) (レス) id: 39392b36ad (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ユーさん» ありがとうございます！優しいというか、過保護というか……。そんなところを気に入ってもらえると嬉しいです！ (2016年10月14日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
ユー - アラン、優しい！続き、楽しみです！ (2016年10月14日 15時) (レス) id: fa9502f7ab (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます！ 寝てる最中にそんなことされてるとは、本人は知らないんですよね〜。本当はちゃんとそこらへんも掘り下げたかったんですけれど、何しろ話数がきついので……。 (2016年10月13日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年9月30日 18時
