結局は過保護 ページ14
ホロキャスターを片付け、バッグを背負う。
木の棒は目立たない場所に置いておいた。
ポケモンセンター方面に体を向ける。
視界の中に、一つの人影を捉えた。
「アラン！？」
「……あ、ごめん。結局来ちまった」
まったく、過保護なんだから。
呆れつつも、嬉しかった。
彼の近くまで足を進める。
「見てましたか？ 私の練習」
「途中からな。お前、すごい楽しそうだったな」
ツドキに持ち方を教わった後からかな。
「えへへ。仕方ないですよ。楽しいですから」
「理由になってねえぞそれ」
悪態をつくような口調でツッコんだ彼。
だけど表情は柔らかかった。
「とりあえず、部屋に戻るか。飯まだ食ってないだろ？」
「はい。っていうかあなたもでしょう？」
「まあな」
微笑しながら私に背を向け、ポケモンセンターへの道を歩き始めるアラン。
その後を私が追いかける。
「バトントワリング、やったことあるのか？」
歩きながら会話を交わす。
それを切り出すのがアランからっていうのはとっても嬉しい。
「いいえ。今まで全然。昨日初めてやったんですよ」
「それであの出来って、やっぱすげえなお前」
私の頭にすっと彼の手が触れる。
「ほええ？」
「すげえよ、お前は……」
がしっと私の髪の毛――主にアホ毛――を掴んできた。
「ああ、もう、痛い！ 痛いですよっ！！」
「すまん。力入れすぎた」
とか言ってるものの、解放してくれる兆しはない。
「もう……とんだSですね、あなた」
「お前がハイスペックすぎるから悪いんだ」
いや、その答え意味不明だよっ！？
「あの、いい加減離してくださいよぉ……痛いですって。
ポニーテール見せてあげますから」
そう言った瞬間手が離れた。反応早っ。
「絶対だな！？」
あの、アランさ〜ん？ 目が怖いですよ〜？
「あ〜……ええ。後で、覚えていたら……」
適当に返事しておく。
だけど絶対にこの人忘れないだろうなぁ。ポニテ萌えだからなぁ。
まあでも、見られて困ることは、アランのポニーテール以外のことに対する集中力が急低下することと、アランが暴走する恐れがあるってことだけだから、いいかな。
それより、『ポニーテール』という単語ですっと要求を受け入れてくれるとは。
今後も使い道ありそうだね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「「ただいま」」
二人同時に部屋に帰ってきた。当たり前って言っちゃ当たり前だけど。
「朝ごはん、すぐできますから待っていてくださいね」
「ああ」
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頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます！続編にまたぐ感じで、アランの計画が露見していきます！お楽しみに！ (2016年10月16日 12時) (
レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
夢代ツバキ - 頂志桜(サム)さん» アラン、何する気なのかな?まさか、ピアノだったり･･･?ドキドキが止まんないです。頑張ってください (2016年10月16日 11時) (レス) id: 39392b36ad (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ユーさん» ありがとうございます！優しいというか、過保護というか……。そんなところを気に入ってもらえると嬉しいです！ (2016年10月14日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
ユー - アラン、優しい！続き、楽しみです！ (2016年10月14日 15時) (レス) id: fa9502f7ab (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます！ 寝てる最中にそんなことされてるとは、本人は知らないんですよね〜。本当はちゃんとそこらへんも掘り下げたかったんですけれど、何しろ話数がきついので……。 (2016年10月13日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年9月30日 18時
