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No.57 お見通し ページ10

「おい、時計係。もうそろそろ時間じゃねぇか?」

若武が上杉君の方を見てそう言った。

上杉君は時計係なんだ。

上杉君は自分の腕につけている腕時計をチラッと見る。


「ん、もうすぐ集合の時間だ。」


私は腕時計を持ってきてなかったので、びっくりした。

だって、マリンは今、翼に告白中だから。

それを知っているのはもちろん私だけ。

だから皆、マリンと翼が迷子だって思っちゃう。

どうしよう!

さすがに「マリンは今、翼に告白中なの!」なんて言えないし・・・・・


「おい、佐田と美門がいねーじゃねぇか。」

「どこ行った、アイツら。迷子か?」


あー、やっぱり!

皆はキョロキョロと辺りを見回す。

集合の時間が刻一刻と近づく。

まだ・・・まだなの、マリン・・・・・

何かあったのかな、さすがにちょっと遅いんじゃ・・・・・


「やべ、一分前だぞ!早く集合場所に行くぞ!」

「でも、2人ともいないじゃん。このまま放っとくの?本当に迷子になっちゃうじゃん。」

「勝手な行動したアイツらが悪い!リーダーとして、遅刻は許せん!」


皆、集合場所へと走り出した。

私はどうしようとオロオロしていたら、黒木君がそっと肩に手を乗せた。


「大丈夫、俺が見つけてくるから。」

「え、でも・・・・」

「平気、佐田さんが今、美門に告ってるんだろ?」


え!!!

黒木君、何でっ・・・!

黒木君はクスッと笑って、こう言った。


「そのくらい、見てればわかるよ。もちろん、美門がアーヤのことを好きな事もね。」


えっ、ちょっ、黒木君エスパー!!??


「大丈夫、上手くやるからさ。佐田さんの邪魔にならないよう、呼んでくるから。アーヤは若武たちについてって。あ、皆にはこのこと内緒ね。」


私は頷き、急いで皆に追いついた。

集合場所にはたくさんの班がもう集まっていて、私たち一班だけが揃ってなかった。

黒木君・・・本当に大丈夫なんだろうか。


「一組、一班。あなた達だけよ、まだ全員揃ってないの。佐田さんと美門君と黒木君はどうしたの。まさか迷子になったの?」

「え、いや、黒木はさっきまでいたんだけど・・・・どこ行きやがった、アイツら!」

「はいはい、迷子ね。もう、若武君、貴方リーダーなんだから班全員をまとめないと駄目でしょう。それに集合時間にも間に合ってないじゃない。五分前行動って何度も言ったでしょう?」

「は、はい・・・・・」


黒木君たちは一向に来ない。

本当に大丈夫っ!?

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愛莉 - 続きがすごく気になります!! (2月2日 15時) (レス) @page32 id: abf6832c1a (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 続きみたいです! (2020年5月14日 14時) (レス) id: 9ecc4550ca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はい、頑張ってください!応援してます! (2019年3月29日 18時) (レス) id: 8df2bc3d9f (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 彩さん» ありがとうございます!大好きだなんて言ってくれて嬉しいです。更新頑張ります! (2019年3月29日 18時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - このお話大好きです!、これからも頑張ってください! (2019年3月29日 17時) (レス) id: 8df2bc3d9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mirukuzery/  
作成日時:2019年3月10日 19時

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