小学生の思い出は知っている【探偵チームＫＺ事件ノート】

Ｎｏ.５４　保健係の仕事 ページ7

目を覚ましたのは翌日の５時頃。

私の目にはマリンが映し出されていた。


「あれ、マリン。早いね。おはよ。」

「おはよ。私、何か皆より早く起きちゃってさ。誰か起きないかなーって待ってたら彩が最初に起きた。」


あ、そうだったんだ。

たしかに皆を見ると、茜や紫苑や菜々もぐっすり。


「どうする？皆、起こすか？」

「だね。」


しおりには５時３０分起床って書いてあったから、５時だとしてもそろそろ起きなくちゃ。

「皆、起きてー」

「そんな小さい声じゃ皆起きないって。」

「で、でも、こんなにぐっすり眠ってるのに、起こすのが可哀そうで。」

「はぁ？彩、あんた、いろんなものに罪悪感感じすぎだよ。今はとにかく皆を起こさなくちゃいけないのっ！」

マリンは部屋の電気をパッと付け、皆がかぶっていた布団を奪い取った。

もちろん、急に起こされた皆はびっくり。

まぶしい電気に明かりに、温かい布団が奪い取られたんだもの。


「ぎゃっ！」

「何っ！？まぶしいっ！」

「うっ・・・寒い・・・・・温かかったのに・・・・」

「もしかしてもう起床時間？眠いよぉ。」


「はい、あーだこーだ言わない！起きろー！」

マリンは笑って皆を起こした。

ふふっ、面白いね。


「もう、仕方ないなぁ。」

「起きるよ。眠いけど・・・」

「ていうか昨日、いつまで起きてたわけ？」

「え、１２時まで話してたよーな・・・」

「遅っ！そりゃあ眠いわな。」


そうだったんだ。

私、昨日一番に寝ちゃったからなぁ。


私たちは身支度をし始める。

私はバックの中から二日目用の服を取り出し、着替えた。

そして髪の毛を溶かす。

基本的に髪を結わないから、くしで溶かせばＯＫ。

鏡を見て、確認。

よしっ、変なところないよね、大丈夫だ。


「あっ、そういえば保健カード出してくれない？」

私は班の中で保健係。

保健カードというのは、昨日の就寝時間や今日の起床時間、体調はどうかなどを記録するカードのこと。

修学旅行が始まる一週間前くらいから取り組んでいた。

保健係はそのカードを集め、保健の先生まで持っていく仕事があるんだ。

皆に保健カードを持ってきてもらい、数を数える。

よし、人数分あるね。

そして部屋から一度退出。

やはり５時ということもあって、辺りはすごく静かだ。

部屋からは色々と音が聞こえるが、朝の静かな空気を感じる。

そして保健の先生の部屋に持っていき、「失礼します。２５１号室の保健カードです。」と言う。

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