No.63 負けるぞ ページ16
時は流れて10月。
世間では綺麗な紅葉で騒いだり、ハロウィンシーズンだって盛り上がったりする季節だけれど、決して誰もがそう思っているわけではない。
そう思ってないうちの1人、それがこの私。
はぁ・・・
あの日、補欠が私って発表された日からずっとこんな感じでいた。
ママに聞かれたから仕方なく補欠になったことを報告したら、すっごく喜んだ。
「すごいじゃない!今まで選ばれたことなかったわよね?たとえ補欠でもすごいわ!さて、当日はお弁当作り頑張っちゃおうかしら!」
なんてことを言ってた。
いいよね、応援する側は。
私は本番、走るかもしれないんだよ?
もし、あんな大勢がいる場で転んだりミスしたりしたら・・・・
嫌だ!!!
大恥かくし、優勝できなくなるし・・・とにかくいいことはないっ!
お願いだから本番、休まないでよ、リレー選手たちよ!
私はとにかく毎日それだけを願い、過ごしていた。
そして運動会ももうすぐとなった頃、代表リレー練習が始まった。
練習時間は給食配膳中。
もちろん、代表リレー選手は皆と同じ時間に給食を食べ始めることが出来ない。
あーあ、お腹すいたなぁ。
今日は6年生だけが練習。
明日から他の学年とも一緒に練習をするらしい。
「それじゃあバトンパス練習をします。赤組・白組とわかれて練習してください。」
私たち赤組は、1組と2組。
2組のメンバーを見ると、そこには悠飛の姿が。
やっぱり足速いんだ。
「彩!早く!」
「あっ、ごめん!」
急いで皆の元へ駆けつけ、バトンパス練習を始める。
「それじゃあ・・・順番は適当でいいから、練習スタート!」
一番最初は若武。
その次にどんどんとバトンを手渡していき、次に私の番だった。
もらう相手は黒木君だった。
黒木君はすごく速くて、いつの間にかバトンを手にしていた。
次は茜。
つまり、私は茜にバトンを渡す、ということ。
丁度いいタイミングでバトンを渡そうとしたけれど、無理だった。
茜が・・・速すぎて!!!
「ちょっと・・・茜っ・・・・・・待っ・・・・・」
「え?あ、ごめん!」
茜はスピードを緩め、なんとかバトンパスができた。
アンカーは茜だったので、そこで終了。
その時、上杉君が言った。
「おい・・・・・俺ら、このままじゃ負けるぞ。」
えっ・・・・・?
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愛莉 - 続きがすごく気になります!! (2月2日 15時) (レス) @page32 id: abf6832c1a (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 続きみたいです! (2020年5月14日 14時) (レス) id: 9ecc4550ca (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - はい、頑張ってください!応援してます! (2019年3月29日 18時) (レス) id: 8df2bc3d9f (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 彩さん» ありがとうございます!大好きだなんて言ってくれて嬉しいです。更新頑張ります! (2019年3月29日 18時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - このお話大好きです!、これからも頑張ってください! (2019年3月29日 17時) (レス) id: 8df2bc3d9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mirukuzery/
作成日時:2019年3月10日 19時