No.60 私が出来ること ページ13
マリンの切ない声が私の耳に響く。
私たちは沈黙が続き、気まずい空気になってしまった。
何て声かけたらいいのか、全く分からなかった。
『あはっ、もしかして困ってる?悪い、悪い。でもさ、こうやってはっきり伝えないと駄目じゃん?協力してもらってたんだし。それに困ることだってねーよ。そんなに悲しくないし。いや、悲しいけどさ、やっぱりかぁって感じ?元々私が翼に好かれることなんてあり得ないもん。』
「そん・・・な・・・こと・・・・ないよ・・・・?」
『いいって、私のこと慰めるからって嘘までつかなくて。根に持ってないし、後悔もない。ただ想いを伝えられただけで満足なんだ。だからいい。よくよく思えば叶うはずのない恋だったんだ。学校のアイドルといってもいいくらいの翼が、こんな私を好きになってくれるなんて・・・あり得るはずなんだよ。翼が好きになる子はさぁ、女子力あって可愛い子で、きっとそういう子なんだよ。』
「マリン、マリン・・・・」
『私、どれにも当てはまってないよな。けど、好きって言いたかったんだ。だから良かったよ。言えたから。彩に背中押してもらってなかったらあのまま後悔してたと思うんだ。ありがとな。じゃ、』
「マリン!!!」
マリン、平気なこと言っても、私にはわかっちゃうよ。
「マリン、無理しないでよ。だって・・・・泣いてるよ・・・・・・・?」
マリンは一度「へ?」と言う。
『何言ってんだよ。まさか・・・・そんな・・・弱くねぇって・・・・・・・』
マリンは泣き出す。
私の耳に聞こえる、しっかりと聞こえる大きさで。
マリンは何度も何度も涙をこらえようとしていたが、そんなことできず、泣いていた。
『うっ・・・・・・うぅ・・・・・っ・・・・・悪い・・・・・・・ありがと。も・・・大丈夫。』
「無理しないでよ。」
『ん、もう平気だ・・・・・・やっぱり彩にはバレるな。すげーよ・・・・・・じゃあまたな。』
マリンはさっきより明るい声でそう言った。
マリン・・・・・・
私が出来ることは・・・・・
まだ・・・・あるのかな・・・・・・?
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愛莉 - 続きがすごく気になります!! (2月2日 15時) (レス) @page32 id: abf6832c1a (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 続きみたいです! (2020年5月14日 14時) (レス) id: 9ecc4550ca (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - はい、頑張ってください!応援してます! (2019年3月29日 18時) (レス) id: 8df2bc3d9f (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 彩さん» ありがとうございます!大好きだなんて言ってくれて嬉しいです。更新頑張ります! (2019年3月29日 18時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - このお話大好きです!、これからも頑張ってください! (2019年3月29日 17時) (レス) id: 8df2bc3d9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mirukuzery/
作成日時:2019年3月10日 19時