小学生の思い出は知っている【探偵チームＫＺ事件ノート】

Ｎｏ.７１　全員リレー ページ24

『プログラム２、５年生による徒競走です。』


運動会のプログラムはどんどん進んでいき、緊張している私の心なんてお構いなしだった。



そしていろんな競技が続き、私たちが出る競技一つ目。


全員リレーの時が来た。



このクラス、この赤組で優勝したい。

その気持ちはだれにも負けないくらいだった。



『６年生による、全員リレーです。』


そしてアナウンスの合図により、私たちは入場する。

自分の順番に並び、開始するのを待つ。



『それでは始めます。よーい・・・・・・』



『パァンッ！！！』



ピストルの音が鳴ると、一気に足を動かし始める。



全員リレーはクラス４つに分かれて行う。



つまり、６年の中で争うということだ。


本来、２つの赤組白組に分かれて競うのだが、このリレーでは違うんだ。



もちろん、私は自分のクラスを応援。

１組は今、スタートダッシュがよかったみたいで１位。



「やった、今、ウチら一位だよ！」

「このままキープしなきゃ・・・ヤバくない？」

「俺、早く走れそうにない・・・」



皆も緊張してるんだ。

そりゃそうだよね。


目を離しているうちに、１組はだんだんと追い抜かれそうだった。



「あっ！頑張れっ！走れっ！」

「追い抜かせー！！！」


他クラスも本気だった。


当たり前だ、最後なのだから。



残念ながら、追い抜かされてしまった。

しかし、まだ２位。

悪い順位ではないけれど、やはり１位がいい。


皆が皆、優勝を狙っていて、とにかく頑張っていた。

そしてしばらくすると私の番が来た。


今の順位は・・・なんと３位！

さっき、追い抜かされて、順位が下がってしまった。



これ以上順位を下げたくないっ・・・・！


追い抜かさないと！



「はいっ！」


バトンを託され、私は全力疾走。


途中、バトンを落とさないよう、しっかりと握りしめ、とにかく走る。


もう、走っていた時は、記憶がないほど、全力疾走だった。

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