87、綺麗な涙 ページ19
篠田さん・・・大丈夫かな。
心配しながら私は下校した。
今日はいつもよりゆっくり、帰って行った。
校門の近くまで行くと、一人の男性がいた。
え、誰だろ。
もしかして変質者っ!?
その人は学校に入りたがっている様子だった。
え、な、何する気ですか・・・・・?
まぁ、いっか。
でも・・・・
私は結局、放っとけず・・・・・
「あの、うちの中学に何か用が?」
「あ、いや、大したことはないよ。ありがとね」
え、そうですか・・・・
でも、何か用があるんでしょう?
「あの、私にできることならしますけど。」
「・・・・・実はね、この学校の生徒の保護者なんだけど・・・・篠田玲奈っていう生徒の。知ってるかい?」
えっ!?
もしかしてこの人って・・・!
「はいっ!知ってますっ!私、友達ですっ!」
「え、怜奈の友達・・・・?玲奈、いつのまにか友達をつくれるようになったんだな。あ、僕は篠田雅樹と言ってね、怜奈の父親です。」
やっぱり・・・この人だ!
篠田さんの父親、篠田雅樹!
「今日、倒れたって連絡がきたから来たんだけど、どこにいるのか知ってる?」
「あ、保健室にいるんじゃないかと・・・」
「そうか、ありがとね」
篠田雅樹は保健室に行こうとした。
私は事件の手掛かりになると思い、ついていくことにした。
「私も行きます。玲奈さんが心配なので。」
篠田雅樹はOKしてくれた。
保健室に行くと、具合悪そうに寝ている篠田さんの姿があった。
よっぽど体調悪いんだ、大丈夫かな。
「あ、保護者様ですか?良かった、篠田さん、お父さんが来てくれましたよ。」
篠田さんはゆっくりと目を開ける。
「おと・・・う・・・さ・・ん?」
「玲奈、大丈夫か・・・・」
「何しに来たのっ!?」
篠田さんは急に起き上がり、篠田雅樹に向けてそう言った。
「何でここにいるの!?今まで家にいなかったくせに!」
「玲奈、落ち着いて」
「落ち着けるわけないでしょう!?お父さんのせいで何もかも失ったんだから!」
「玲奈!」
何もかも・・・失った?
どういうこと?
「こういう時だけ来て、大事な時は来ないくせに!逃げるくせに!お父さんはずるい!」
「落ち着けって!」
「こういう時だけ父親ぶって!酷い!」
「ちょっと篠田さん!」
「玲奈、落ち着きなさい!」
篠田さんはすごく泣いて怒っていた。
その涙は心が奪われるほど綺麗なものだった。
そう感じるのは何故・・?
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萌音 - 完結おめでとうございます! (2020年11月29日 9時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
ゴールド - 完結おめでとうございます。凄すぎですね (2020年7月14日 17時) (レス) id: a978d9cb24 (このIDを非表示/違反報告)
氷麗 - 本当に感動しました!涙が出そうです! (2019年8月6日 17時) (レス) id: dceaffb367 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - ふぶきさん» 前々からコメントしてくださり、嬉しかったです!今まで読んでくださりありがとうございました! (2019年3月3日 18時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - 完結おめでとうございます。すごく感動しました! (2019年3月3日 16時) (レス) id: e51245e093 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mirukuzery/
作成日時:2019年1月30日 18時