第260話🦇ずるくて愛しい君 ページ21
*ショッピ side*
無事買い物を終えた俺は、ミラさんに誘われてカフェへと向かった。
テラス席に着いてそれぞれ飲み物を頼み、ひと息つく。
「いやー、良い買い物しましたわ。割り勘してもらってありがとうございます、ミラさん」
「アタシ、先輩の将来が切実に心配なんやけど……」
珍しく深刻そうな顔で頭を抱えるミラさんに、俺はニヤッと笑って言う。
「ミラさんが僕を婿入りさせてくれたら、その心配も無くなると思いますよ?」
「うわ、養われる気満々やんこの
「冗談ですよ。あ、婿入りしたいのはホントですけど」
俺なりのアプローチも、ミラさんは「はいはい」と軽く流すだけ。
どうしたら、この
なんてことを俺が考えているなんて知らないであろうミラさんは、先ほど買った物たちを見やる。
「ピコ、喜んでくれるとええですね」
「……はい、そうですね」
小さく笑ってそう返すと、ミラさんはやけに嬉しそうに俺を見つめていた。
「……なんですか、えらくニコニコして」
「いや〜? ピコが来てからショッピ先輩、ホンマに楽しそうやなぁと思いまして」
「はぁ……それでそんなに嬉しそうにしてるんですか? かわいい
「何がかわいいんかはようわかりませんけど……―――ショッピ先輩が楽しそうやと、アタシも楽しい! それだけですよ♪」
ニヒッと無邪気に笑う彼女に、心臓がドキッと跳ねてしまう。
クッソ…今の表情、ビデオに収めたかった……!! 不意打ちはずるいわ……。
「先輩、この後どうします?」
「……そうですね。ホントはすぐ帰るつもりだったんですけど……せっかくですし、もう少しだけアナタと居たいです」
「んふっ、先輩ってアタシ相手やと素直になりますよねぇ。そーいうとこ、かわいらしいと思います」
「……それ、アナタに言われても嬉しくありません」
「えー? 褒めてるのに〜w」
わかっとらんなぁ、ミラさんは。
男は、惚れてる女には“かっこいい”って思われたい生き物なんやで?
ま……それをわかった上で、“かわいい”なんて言うてるんかもしれんけど。
ホンマ……ずるいお
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年8月22日 9時