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第259話🦇先輩、意外な一面 ページ20

*ミラ side*

「ショッピせんぱぁい……ちょいと買いすぎやないですかねぇ?」

「え?」

ショッピ先輩の手には、念子(ネコ)のエサと念子(ネコ)用ベッド(高級)、その他おもちゃが抱えられていた。普通の学生が買うには、明らかに多すぎると思うんやけど……。

「いやいや、全然ですよ」

「意外と金使い荒いんですね、先輩……」

そんだけピコのことを気に入ってるのか、はたまた元からなのかわからんけど……これはさすがのアタシでもヤバイってわかるで、うん。

「もうそのくらいにして、お会計行ったほうがええんとちゃいます?」

「まぁ、どうせ買いすぎても置くスペース無いしな……」

そうぼやいてレジへと足を向けるショッピ先輩に、アタシはホッとする。

しかし、その途中で彼の足はピタリと止まった。

「……先輩?」

ショッピ先輩がジッと見つめていたのは、大きなキャットタワー。

「え、先輩? まさかこのキャットタワー買おうとしてます? 結構しますよコレ?」

アタシが値札を指差しながらそう言うと、ショッピ先輩はキャットタワーの値段を確認してから自分の財布をパカッと開いた。

「……よっしゃ、いけるわ」

「嘘やろ!?!?」

キャットタワーに手を伸ばそうとしたショッピ先輩を、アタシは慌てて掴んで止める。

アカン、この先輩絶ッ対破産するやん……!!

「わかりました、わかりましたショッピ先輩。アタシと割り勘にしましょう」

もはや懇願するように、アタシはショッピ先輩にそう詰め寄った。

「いやでも、ピコは実質俺の飼い念子(ネコ)やし……」

「けど、我々師団(バトラ)で預かってる子やないですか。なら、団員であるアタシにもその権利はあると思いますけど?」

ズイッと顔を寄せると、ショッピ先輩はグッと言葉を詰まらせた。

「ア、アナタがそこまで言うなら……」

よっしゃ!!! これならとりあえず、この悪魔(ヒト)が破産することはないやろ……!!

深々と息を吐いて胸を撫で下ろし、アタシはキャットタワーを持ってレジへと向かうのだった。

第260話🦇ずるくて愛しい君→←第258話🦇偶発的遭遇



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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年8月22日 9時

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