百九十七話【JK】 ページ48
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『…許さないからね…っ』
俺が迂闊だった。
姫様の誕生日、どうしても彼女の顔が一目見たくて、まだ日も登らない時間に、彼女に会いにいってしまった。
静かに寝息を立てる姫様を見て、あいも変わらず愛おしさが全身にこみ上げてきて。
未練がましい俺は、
眠る彼女の頰に唇を落とした。
その結果、
ここまで追いかけてきた姫様が、俺にまたがり城を抜けてきただなんて言って、
さらに、今、ありえない言葉を口にした。
「なんて言いました?」
『あなたが好き。』
「、冗談はよして、っ、」
『これでも嘘だと思う?』
強引に俺を引き寄せ、口付けた彼女。
どうやら俺は夢を見ているらしい。
だって、
「ありえないです…」
『本当。』
「だって、そんなわけない。」
『あるの。
私は、あなたと一緒に生きたい。
これからは、私が守るよ。
だから、お願い。
もう一度私を好きに…、
ジョングク?』
「…本当に馬鹿ですね。」
『…なによ。』
「正気の沙汰じゃないです。」
『うるさいなー。
泣き虫のくせに。』
「…、泣いてないです。」
耐え切れず抱きしめた俺を、受け入れてくれて、そして優しく背中を撫でてくれる姫様に、ますます前が見えなくなる。
「俺も、あなたが好きです。」
『…
ほんとに?』
「馬鹿ですか?」
『また?』
「俺はもう何年も、
あなたのことが好きすぎて、頭がおかしくなりそうだ。」
ほしくてほしくてたまらなかった。
手に入るわけないと思いながら、ずっとあなたに恋をしていた。
本当は離れたくなんてなかったけれど、
もし俺が隣にいるせいで彼女が傷つくことになんてなったら、俺は自分で自分を殺してしまいそうだったから。
『ねぇ、グク。
私と生きる道を選んでくれる?』
「そんなの、俺に選択肢なんてないじゃないですか。」
『ちょっと。私達もう主従関係じゃないのよ?』
「いや、そうじゃなくて。」
あー、やっぱりこの人に、まだ俺の気持ちの半分も伝わってないみたいだ。
「あなたの思いを聞いて、
もう俺が離れられるわけないでしょう。」
『…馬鹿。』
誰よりも愛しい人。
これからは、どうか、
ずっと側に。
「愛してる」
fin.
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d2y - 色々な作品を物色し見てはこの作品に戻り、、を繰り返し4周しました!とてもとても素敵な作品で、大好きです!もちろんbtsは最高ですが彼ら抜きでも良いと感じられる物語でした。ミロ様、いつも楽しい時間をありがとうございます!これからもずっと応援してます! (1月11日 12時) (レス) @page50 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
はんだごて - 少し間を空けて2周しましたが、何度でも読みたい作品でした!!本当にお金出して見たくてせめてWiFi切りました!!!形に残してほしいほど貴方には才能があると思います。とても素敵な作品をありがとうございます!ずっとずっと応援してます無理なさらずご自愛ください (2022年9月15日 12時) (レス) @page50 id: 95ed82d62c (このIDを非表示/違反報告)
ソヨン - もう大好き過ぎます(;ω;)今回もたっぷり泣かせてもらいました! (2022年4月13日 16時) (レス) @page50 id: bd4a77815f (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ泣いた。ありがとう。 (2022年2月20日 18時) (レス) @page50 id: 99b69b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃもち - ジミンちゃんが切なすぎます。。。。涙が。。。。素敵なお話でした👏🏻💫 (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2a9c6ecc5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年8月17日 22時