百九十六話 ページ47
心がふわふわして、不思議な気持ちのままただひたすらに馬を走らせる。
よく考えても見れば、ソクジン兄様もジミンも無謀なことを言いすぎじゃない?
だって、ジョングクに会える確信なんてないし、もしかして一生探しても見つからないかもしれないのに。
だけど、
一番おかしいのは、それなのに身一つで駆け出している私自身に間違い無いのだけれど。
だって、どこから湧いてくる自信なのか。
何故かこの先の場所に、ジョングクがいると確信を持っている。
それに、あなたって実は寂しがりやだったもの。
ずっと私やジミンに甘やかされて、可愛がられてきたんだよ。
なのに、いつのまにか大人の男の人になっちゃって。
力強い腕で私のことを守って、
そして、抱きしめてくれた。
いつでもそばにいてくれて、
とても大切にしてくれた。
そんなあなたに、
私は、恋をしたの。
だからこそ、
『…許さないからね…っ』
「…、
なんで…、」
黙って私の元から去ったあなたのことを、私は絶対に許さない。
前に、秘密の場所だと言って連れてきてもらったあの草原に、ジョングクはいた。
仰向けになって寝転んでいたジョングクを閉じ込めるように覆いかぶさった私に、驚いたように何度も瞬きをする。
JK「どう、して、
…、今日は生誕祭のはずでしょう?」
『それ、あなたが言う?
私、聞きたいことが山ほどあるんだけど。』
JK「…俺にはないです。
だから、どいてください。」
『どかない。』
JK「…ヒョンから聞きませんでした?
言っときますけど俺、城に戻るつもりないですから。」
『知ってる。』
JK「じゃあ、」
『だから。
だから、私が城を出たの。』
JK「…は?」
『もうあそこに戻るつもりはない。』
JK「…っ!」
『あ、』
押し倒していたはずなのに、あっという間に反転して今度は私が彼を見上げる体勢になる。
JK「、どういうつもりですか!
馬鹿なこと言ってないで、早く戻ってください。」
『嫌よ。絶対に戻らない。』
JK「戻れ。」
『いや。』
JK「…、なんで、」
『なんでって、そんなの…
あなたのことが好きだからに決まってるじゃない。』
聞いて。
私ね、あなたにどうしても伝えたいことがあったの。
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d2y - 色々な作品を物色し見てはこの作品に戻り、、を繰り返し4周しました!とてもとても素敵な作品で、大好きです!もちろんbtsは最高ですが彼ら抜きでも良いと感じられる物語でした。ミロ様、いつも楽しい時間をありがとうございます!これからもずっと応援してます! (1月11日 12時) (レス) @page50 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
はんだごて - 少し間を空けて2周しましたが、何度でも読みたい作品でした!!本当にお金出して見たくてせめてWiFi切りました!!!形に残してほしいほど貴方には才能があると思います。とても素敵な作品をありがとうございます!ずっとずっと応援してます無理なさらずご自愛ください (2022年9月15日 12時) (レス) @page50 id: 95ed82d62c (このIDを非表示/違反報告)
ソヨン - もう大好き過ぎます(;ω;)今回もたっぷり泣かせてもらいました! (2022年4月13日 16時) (レス) @page50 id: bd4a77815f (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ泣いた。ありがとう。 (2022年2月20日 18時) (レス) @page50 id: 99b69b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃもち - ジミンちゃんが切なすぎます。。。。涙が。。。。素敵なお話でした👏🏻💫 (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2a9c6ecc5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年8月17日 22時