百七十七話 ページ28
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『…あ、』
JK「遅かったですね。」
テヒョンと別れ部屋へ戻ると、ジョングクが扉の前で待っていた。
『うん。
ちょっと話をしていて。』
JK「…そうですか。」
私に探るような視線を向ける彼から、顔を背ける。
JK「昼間は、みっともない所見せてすみませんでした。」
『え?
ああ、ううん。
…守ってくれてありがとう。
あなたにはいつも感謝してる。』
JK「…なんですか。やけに素直ですね。」
俯いたままの私の顔を、覗き込むように身を屈ませるジョングクに思わず後ずさりする。
JK「…なんで逃げるんですか。」
『いや、つい。』
JK「…。」
『…。』
JK「…ちょっと。」
ジョングクの動きに合わせて避けまくる私に、しびれをきらした彼は私の腕を掴んで引き寄せる。
『…近いよ。』
JK「あなたが逃げるから。」
『もう、逃げないから。』
そう言っても、手を離してくれる様子などまるで無くて。
恐る恐る顔を上げると、私を見下ろしていた彼の瞳と目が合った。
JK「テヒョンイヒョンに、返事したんですか…?」
『…した、よ。』
JK「…泣きましたか?」
そう言うと、そっと私の頰に手を添わせて、親指で私の目尻を優しくなぞる。
なんだか全てを見透かされているようで、とても居心地が悪い。
耐えきれず、手のひらでジョングクの胸を小さく押すと、彼の手はあっさりと私の顔から離れた。
『泣いてない。
それより、日を空けずにこの国を出るつもりだから。あなたもそのつもりでいてね。』
JK「わかりました。」
『城に戻って、全部終わったら…
約束してた通り、2人で出かけよう。』
JK「…!」
『…まさか、忘れてないわよね?』
JK「忘れるわけ、ないです。」
嬉しそうに微笑んだジョングクに、私もつられて笑顔になる。
あんまり幸せそうに笑うもんだから、この時の私が気づくはずもなかった。
あなたはもう、
とっくに決心してしまっていたんだね。
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d2y - 色々な作品を物色し見てはこの作品に戻り、、を繰り返し4周しました!とてもとても素敵な作品で、大好きです!もちろんbtsは最高ですが彼ら抜きでも良いと感じられる物語でした。ミロ様、いつも楽しい時間をありがとうございます!これからもずっと応援してます! (1月11日 12時) (レス) @page50 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
はんだごて - 少し間を空けて2周しましたが、何度でも読みたい作品でした!!本当にお金出して見たくてせめてWiFi切りました!!!形に残してほしいほど貴方には才能があると思います。とても素敵な作品をありがとうございます!ずっとずっと応援してます無理なさらずご自愛ください (2022年9月15日 12時) (レス) @page50 id: 95ed82d62c (このIDを非表示/違反報告)
ソヨン - もう大好き過ぎます(;ω;)今回もたっぷり泣かせてもらいました! (2022年4月13日 16時) (レス) @page50 id: bd4a77815f (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ泣いた。ありがとう。 (2022年2月20日 18時) (レス) @page50 id: 99b69b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃもち - ジミンちゃんが切なすぎます。。。。涙が。。。。素敵なお話でした👏🏻💫 (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2a9c6ecc5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年8月17日 22時