君の声 ページ49
でも、このまま別れるのは嫌でオッパのコートをくいっと引っ張ると、ちょっと迷った後ふにゃんと笑って抱き寄せてくれた。なのに、
TH「年末は帰ってこられるの?」
『うん。音楽祭の時は』
TH「仕事のため?」
『また行ったり来たりかな』
そう答えるとすぐまたオッパは、ふん!と不機嫌になって、そのままゲートをくぐっていってしまった。えーって立ち尽くしていると、苦笑いしたナムオッパが引き返してきてくれた。
NJ「あいつずっとAに会うの楽しみにしてたんだよ。心配もしてたし」
『ナムオッパ。…私も会いたかったですもん』
俯いた私にオッパはハハって笑って頭を撫でてくれる。
NJ「わかってるよ。そうだ、Aに一つお願いがあるんだけど…」
『…え?』
・
『つっかれたー』
今年の日本でのスケジュールをすべて終え、滞在中のホテルのベッドに倒れ込む。
明日はまた朝一で韓国に戻って歌謡際だ。
忙しくてしょうがないけれど、日本での仕事は充実してて、楽しくて、この頑張りがグループに還元されるならって思うと嬉しかった。
でも…
その時握り締めていたスマホが震え、画面を見るとそこに表示された名前にすぐ通話ボタンを押す。
《ヌナ…?》
求めていた声にじんわりと泣きそうになる。
グクぅ?と情けない声が出た私に電話越しにケラケラと笑う声が聞こえた。
JK《仕事終わった?》
『うん』
JK《お疲れ様。早く会いたいよ》
『私も』
JK《あは。
…あのさ、誕生日のプレゼント、今使っていい?》
『え?今?いいけど』
今年も例年通り渡したおてつだい券。
まさかこんなところで出番がやてくるとは。
JK《僕、ヌナとデートしたいです》
『え』
JK《恵比寿ガーデンプレイス時計広場1時》
『きゅん』
こいつ、さては花男見たな?
JK《ていうのは冗談で、いや本気だけど…
今は別のお願いがあるんだ。
あのね_____》
ジョングクの願いを聞き、私は荷物をまとめてすぐにホテルを飛び出した。
今日最後の便にぎりぎり搭乗し、韓国に到着した頃にはちらちらと雪が降り出していて。
刻一刻と時間は過ぎて行くのに焦りを感じ、年末で道が混んで進まないタクシーを飛び降りる。
外はキンと冷えて、走るたびに吐く息が白く染まる。
やっと見えてきたマンションに入ると、エントランスで蹲っている男の人が目に入り、涙が出そうになった。
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キム・カズ(プロフ) - ミロさん» 一生付き合っていきまーす(ハート) (2020年6月19日 0時) (レス) id: 2561bedadd (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - あすきさん» 3回も!光栄すぎます…!!書いてて楽しいお話なので、また続編でお会いできたらうれしいです!頑張って戻ってきますねー!(о´∀`о) (2020年6月18日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - さっちゃんさん» そんな映えある枠に入れていただき本当に恐縮です…それにとっても嬉しい(//∇//)さっちゃんさんいつもコメントから優しくて暖かいお人柄が伝わってきて、こうやってやりとりをするたびにほわっと癒されております。いつも本当にありがとうございます。 (2020年6月18日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - チムチムさん» わぁい!!嬉しいです(*^^*)私もホソクさんにこんなこと言われたら溶けてなくなってしまいます!にやにや (2020年6月18日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - 湯海さん» (笑)(笑)(笑)そうなんです。ツンデレが好きなんですとにかく。MJではなく道明寺なんです。(嵐大好きです)ホソクさんは、私がハマっちゃってるのが伝わるくらい美味しいとこ持ってくキャラとなりつつあります。そんな彼にまた続編で会いに来てくださいぃい! (2020年6月18日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2020年5月26日 23時