紅一点干物女の憂鬱 ２

先生の提案 ページ22

『ジョングク、私ね…』


　


練習、頑張ってるよ。


もっと上手に踊れるようになって、アリン先生みたいなかっこいい女性になれたら…ジョングクに「辛い」なんて言わせずに済むのかなぁ。


　



カムバックのために珍しく明るく染められた彼の髪に触れる。

今はこうやって撫でると何故か嫌がって拗ねるけれど、昔は嬉しそうに笑ってたっけ。

　

そんな、昔の暖かな記憶を思い出しながら…

私は少しずつ意識を手放していった。



　



　









＿＿＿


＿＿＿＿＿＿

　








気がついたら。

自分の部屋のベッドで眠っていて。

　

ここまでどうやって来たかの記憶は、探してもどこにも残っていなかった。







　









　


　





アリン先生が来てから3日目の練習日。



　



　





HS「A、昨日は出来てたのにどうした？」

『…ごめんなさい』


　


昨日、先生に言われて修正した箇所を、全体でやってみるとやっぱりうまくいかなくて。

サビの激しいダンスでジニオッパとぶつかってしまいメンバー達の頭を悩ませてしまってる。

　


JN「俺は大丈夫だよ。
ごめんねA。オッパがもっとちゃんと周り見るから」
『オッパ。違うよ、私が…』
AR「どうしたの？」

　


そこへ、練習室に現れたアリン先生が私たちの重たい雰囲気を見て驚いた顔をする。


　

TH「…せんせ。
昨日、Aのダンス見てくれてたんですよね？」
AR「ええ」
TH「ほんとにちゃんと見てくれましたか？」
JM「…テヒョン？」
AR「見たわ。どうしてわざわざそんなこと聞くの？」
NJ「すみません、先生。
ちょっと今日の練習がうまくいってなくて、皆ピリピリしてるだけなんです」

　

アリン先生をじーっと見つめるテテオッパの前に入り、ナムオッパが慌ててフォローする。

戸惑った様子の先生だったけれどすぐに、ごめんなさいね。と笑い私の方へと視線をよこす。


　

AR「私の教え方が悪かったかな？」
『あ、違います！私の覚えが悪くて』
AR「だから。
もっと分かりやすいように、見て覚えてもらう。
Aさんにはその方がいいかもね」

『え？』

AR「今から、私が入ってAさんのパートを踊るから、よく見ててね？
皆、ちょっと付き合ってくれる？」


　

アリン先生の提案にオッパ達は戸惑った顔をしたけれど、構わず曲をかけた先生にそれぞれが定位置につく。

　

　









その後見た光景に、
胸が押しつぶされそうになった。

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