三十三話【JM】 ページ33
SJ「側に支えてもらったらいつでも会えるし、いいだろ?」
『会いたくなったら、私から会いに行くからいいもん。』
「そんな…!!
姫様、確かに愚息は、落ちこぼれで、学もないし、剣術の才能にも恵まれてはいませんが、側に置いていただければ、きっと何かの役に立つと思います…!ああ、それとも他の兄弟はいかがですか!?その方が…」
『黙りなさい。』
彼女の一言に、父上が慌てて口を閉じた。
表情を消し去った、なんの欠点もない美しい顔で、じっと父上を見つめる姫様は、まるで人形のようで少し怖いほどだった。
『ジミンが落ちこぼれだなんて、あなた、ジミンのお父様なのに何もわかっていないわ。』
「ですが…」
『ジミンは、転んで怪我をした私に、薬を塗ってくれた。とっても優しいひとよ。そんなひどいこと言わないで。』
「わ、わかりました…。
ジミン、すまなかった。」
「いえ…いいえ!」
生まれて初めて、父上に謝られて、どうしたらいいかわからなかった。
そして、生まれて初めて、誰かに自分を認めてもらえたことが、嬉しくて嬉しくて涙が出そうになった。
それは、体の芯が燃えるような感覚で。
「A…姫。僕、やりたいです。」
『え?』
「姫様の付き人…やらせてください!」
『だめよ。ジミンは私の友達でしょ?家来じゃないわ。』
「でも…!」
SJ「もうー。このままじゃ埒があかないから。とりあえず仮契約ってことで。ジミンが嫌になったらいつでもやめていいから。ね?今、ジミンは本当にやりたいと自分で思って言ってくれてるんでしょ?」
「もちろんです!」
『そうなの?うーん、なら、まぁいっか。私もジミンと一緒にいたいからさ!』
へへへ、と笑った彼女に抱いたその頃の俺の気持ちを、敬愛と呼ぶにはまだ浅すぎるかもしれない。
それでも、
俺のことを、優しいひとだと、落ちこぼれじゃないと笑いかけてくれた彼女の側に、いられるような自分になりたいと思った気持ちは今でも何も変わっていない。
むしろ、年々強まっていくばかりで。
ああ、でもそう考えると、
意地でも俺を友達だと言い張る姫様も、昔と何も変わっていないなって、
初めて出会ったあの頃より、ずっと美しく成長した目の前の彼女を見ながら、少し笑った。
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ミロ(プロフ) - TENNさん» TENN様 実は…暁のヨナ大好きです(^^)おそらくめちゃくちゃ影響受けてるし参考にしてます!( ; ; )ヨナみたいなファンタジー要素がないのでこの先違ってきちゃうのですが…、楽しんでいただけると嬉しいです(^人^)わー、テンションあがっちゃいました(笑) (2019年10月30日 8時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
TENN - もしかして暁のヨナ読まれてますか?読んでいて通ずる所があったのでもしかして、と思ったんですが(´-`).。oO私も宮廷物?の話が好きなのですごく面白く読ませて貰ってます(*^^*) (2019年10月30日 2時) (レス) id: 8a45b3191e (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Agust dさん» わ!投票ありがとうございます!(´;ω;`)この主人公はいい子にしよういい子にしようと気をつけたので、そう言っていただけて嬉しいです(o^^o)ユンギペンなのですね!素敵なお名前だと思っておりました!ちょこちょこ登場ですが、このお話のユンちゃん気に入ってます笑 (2019年10月21日 21時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
Agust d(プロフ) - ちょうど300票目を入れさせていただきました。 姫のような純粋無垢の女性は素敵で憧れます! 誰とくっつくのかが楽しみです♪ ユンギペンなのでユンギとの絡みも楽しみに読んでいこうと思います! (2019年10月21日 13時) (レス) id: fea73733b9 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ムンバイさん» ムンバイ様 えーー!?!?嬉しすぎます…!!震えながら更新してるので、本当に励まされます…!!ありがとうございます!( ; ; ) (2019年2月23日 21時) (レス) id: e396746b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年2月14日 23時