キミが奏でる恋の唄

二十二話 ページ22

『だけど宴には間に合ったし…


ん？あれ、うまく付けられない。
ごめん、ジミン付けてくれない？』

JM「ええ！？俺そういうのうまく出来ないですよ！」

『大丈夫大丈夫。この辺にサクッと刺してくれたらいいから。』



YG「遅いと思ったら、何してるんですか？」

『あ、ユンギ。』


ジミンに無理やり握らせようとしていた髪飾りを手に取ると、さっと私の髪に付けてくれる。





YG「こんなもんでいいんじゃないですか？」

『ありがとう。』

YG「よく似合いますよ。」

『ユンギ、今日なんか変なものでも食べた？』



どう言う意味ですかと笑うユンギを見て思う。

これは本格的な天然女たらしだ。

だって、不意に近づいた距離にドキッとしてしまったもの。

相手はあのユンギなのに。








JM「ユンギさん、ずるいですよ。」

YG「何がだよ。いいから行きますよ。本当に時間ねーんだから。」

『はーい。』










会場へ入り、自分の席に座る。

私以外は皆既に到着していた。

隣に座るソクジン兄様に、「遅いぞ。」と叱られる。

少し離れた位置に座るお義母様は、こちらを見ることもない。








落ち込んでいる暇もなく、早速宴が始まる。

さっきだって挨拶をしたのに、また次々と私たちの元に足を運ぶ貴族達。









「ところで、今夜姫様の婚約についての話があるというのは本当なのでしょうか？」

『それは…』

SJ「そんな話はないよ。誰かが、適当に吹聴したんだろう。」

「ああ、そうでしたか…」




先程から何度かされるこの質問。

聞かれるたびにソクジン兄様があしらってくれるけれど、いい加減うんざりだ。





ほんとに、誰が勝手にそんな噂を立てたんだろう。











SJ「ああ、ほら。始まるみたいだよ？」

『え？…ああ。』



いつの間にやら、会場に運び込まれた大量の楽器。

そして、整列した奏者達の前に1人の男が出てくる。















ハン家の長男、スンヒだ。














SH「本日は、皇女、A様に私ハン・スンヒがささやかながら、祝いの品に変えまして高羅国きっての楽師団の演奏をお贈りします。」











SJ「こりゃまた派手な…。」

YG「見事に金に物言わせましたね〜。」









スンヒの言葉に一気に盛り上がった会場に、苦笑いをするソクジン兄様とユンギ。





私への贈り物なんだから喜ばないといけない所だけど。


…スンヒのやつ、容赦なさすぎるよ。

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