二話 ページ2
ジミンに助け起こされながら、騒ぎの方へ目を向けると、先程私たちが買った餅屋の店主が、小さい男の子の首根っこを掴んでいる。
捕まったままバタバタと暴れる少年は、多分私達と同じくらいの歳だろうけれども、とても痩せていて、身なりも汚れていた。
JM「物騒ですね。やっぱりもう帰りましょう。」
『…うん。』
ジミンに促され、帰ろうとした瞬間、パッと顔を上げた先程の少年と目があった。
『…綺麗。』
JM「？A様？」
目があったまま、思わずこぼれ落ちた言葉に自分でも驚く。
顔も黒く、汚れていたけれど、彼の丸い瞳はとても美しく、何故だか目をそらすことができなかった。
「ほら、行くぞ！」
？「やめろ！はなせ！」
『待って！！』
気付いた時には叫んでいた。
わたしの後ろで今にも失神しそうなジミンの気配を感じながらも、何故か今行動しなければ後悔する気がした。
「さっきのお嬢ちゃんじゃないか。どうしたんだい？」
『おじさん。その子、許してあげてくれないかな？』
JM「ひ、じゃなくて、A様！！何をいってるんですか！？」
「いくら可愛いお嬢ちゃんの頼みでもそれは聞けねえよ。」
『それじゃあ！この子が食べちゃったお団子のお代、私が払うから！お願い…！！』
必死に頼み込む私をみて、呆れたようにため息をつく店主のおじさん。
「はぁ〜。わかったわかった。今日はめでたい日だ。本当だったら役人に突き出すところだが…。その代わり、次にやったら絶対に取っ捕まえて縄で縛って連れて行くからな。」
『おじさん…！！』
「あとは…可愛いお嬢ちゃんに免じて…な！」
そう言って、私の頭を撫でると、お店へと戻っていった。
やっぱり、この国には優しい人が多い。
…それにひきかえ、
『ちょっとあなた…！！なんで盗みなんてするのよ！！』
店主に解放され、その場に座り込んでいた少年を指差して怒鳴りつけると、驚いたように肩を揺らした。
けれど、私をキッと睨み付けると、すぐに顔をそらす。
『…あなた、親は？』
？「…いない。」
『家は？』
？「…ない。」
…孤児か。
お兄様から聞いたことがある。
先の戦の影響で、一見華やかに見えるこの国にも、今、たくさんの戦争孤児がいるって。
私よりも小さく見えるこんな子どもが、一人ぼっちで生きているのか。
ツキン、と胸が痛くなる。
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ミロ(プロフ) - TENNさん» TENN様 実は…暁のヨナ大好きです(^^)おそらくめちゃくちゃ影響受けてるし参考にしてます！（ ; ; ）ヨナみたいなファンタジー要素がないのでこの先違ってきちゃうのですが…、楽しんでいただけると嬉しいです（^人^）わー、テンションあがっちゃいました（笑） (2019年10月30日 8時) (
レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
TENN - もしかして暁のヨナ読まれてますか？読んでいて通ずる所があったのでもしかして、と思ったんですが（´-`）.｡oO私も宮廷物？の話が好きなのですごく面白く読ませて貰ってます(*^^*) (2019年10月30日 2時) (レス) id: 8a45b3191e (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - Agust dさん» わ！投票ありがとうございます！(´；ω；`)この主人公はいい子にしよういい子にしようと気をつけたので、そう言っていただけて嬉しいです(o^^o)ユンギペンなのですね！素敵なお名前だと思っておりました！ちょこちょこ登場ですが、このお話のユンちゃん気に入ってます笑 (2019年10月21日 21時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
Agust d(プロフ) - ちょうど300票目を入れさせていただきました。 姫のような純粋無垢の女性は素敵で憧れます！ 誰とくっつくのかが楽しみです♪ ユンギペンなのでユンギとの絡みも楽しみに読んでいこうと思います！ (2019年10月21日 13時) (レス) id: fea73733b9 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - ムンバイさん» ムンバイ様 えーー！？！？嬉しすぎます…！！震えながら更新してるので、本当に励まされます…！！ありがとうございます！（ ; ; ） (2019年2月23日 21時) (レス) id: e396746b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年2月14日 23時
