219話 ページ24
FWを3枚に切り替え攻撃布陣へ変わるデザートライオンから後半戦は始まる
あっさりと突破された彼らの後に立ち塞がるのは私だけ。後ろの円堂の体力を削るわけには行かない
「お前、分かってただろ」
「…」
「まぁ、ほんの少しだけね」
当たり前だ。こんな普段と比べ物にならない日差しの中、いつも通りのペース配分だと後半なんてとても持ちやしない。ましてや私はリベロ、定石を無視する自由人
「だから前半、ほとんど動かなかったってか」
前半皆はいつもどうり全力で点を取りに行った
そう、言葉通り、全力で
そうなれば後は底なしの体力でない限りスピードもパワーも落ちていくだけ
相手の思う壷だ。
デザートライオンのプレイスタイルは恐らく後半重視。前半でゴールを譲った分、弱った所を一気に狩るんだろう
「考えないと勝てる試合も勝てないでしょ?」
「言ってくれるな」
私のように晴天に恵まれれば恩恵を受けられる選手も居るが、それは極小数だ。そんな私の体力だって彼らからしたらゴミみたいなものなんだろう。なおのこと先のことを考え行動しないと勝ち目なんて無い。控えの選手にも限りがあるのだから
「一気に追加点でやんすよ!」
投入されたばかりの彼は前半の緑川のように意気揚々と走るも、後ろを振り返れば吹雪もヒロトも息が荒い
「皆、狩の時間だッ!」
おうッ!!
「来るぞ、DFを固めろッ!」
「クソっ速いッ!」
タックルに押し負け倒れるヒロトの次は跳躍してヘッドで食らいつく綱海。残り少ない体力、弱まった力では受け止められない彼の背中を支えようと円堂が前に飛び出す
「ッ何やってんの!!」
間一髪だった
押し切られ無人のゴールにボールが入る前に脚を振り下ろす
「GKが持ち場から離れるなッ!ゴールを守るキーパーが居なくなったら誰が守るんだ!?次も上手くいくとは限らないんだ!!分かったなッ!?」
円堂が一瞬喉を詰まらせた。私の今の顔はきっと凄いんだろうな
「綱海ッ!」
立ち上がる円堂とは他所に荒い息遣いで倒れる綱海
「ここからが俺たちのサッカーの始まりだ」
「俺たちは灼熱の太陽と砂漠のフィールドで育ってきた」
「鍛え上げられた身体と無限の体力」
「それが俺たちの最大の武器!」
「昨日今日特訓しただけの連中についてこれるわけが無い。」
目の前に立つ彼ら一人一人をこの目で捕らえる
「お前たちは砂漠に迷い込んできた旅人も同然、あとは息の根が止まるまで待つだけだ」
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染岡さんの愉快な仲間たち(プロフ) - 調味料さん» ごめんなさい、勘違いだったらごめんなさい。210話の事件から地面になってます (2020年7月5日 12時) (レス) id: 972de952e4 (このIDを非表示/違反報告)
調味料(プロフ) - ありがとうございます!主ちゃんの実力はこういった努力の賜物が多いですね。これからも頑張ります! (2020年4月1日 16時) (レス) id: 6e1f936d79 (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - 続編おめでとうございます!お話がとっても好きで何時も見させてもらっています!これからも体調などに気を付けて自分のペースで更新頑張ってください!応援してます!…冬花ちゃんに惚けたり通学中に頑張ったりするとか主ちゃん可愛いかよ() (2020年3月31日 22時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
調味料(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2020年3月30日 0時) (レス) id: 6e1f936d79 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 続編おめでとうございます!エイリア学園編おもしろかったです!FFI編も楽しみにしています!これからも更新頑張って下さい! (2020年3月28日 20時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:調味料 | 作成日時:2020年3月28日 18時