放課後の時間に VI【イナイレ 】

218話 ページ23

快晴の空にきつい日差し

快晴になったのは私にとっても好都合。いつもよりも何倍も力が出せる。ずっと前からスタミナ作りだってしてきた
乃々美さんの差し入れお弁当も今回は味方だ

スタンディングメンバーが並ぶ。その中に私も並ぶ


ﾋﾟﾋﾟｰｯ

ボールを持ったヒロトが突っ走る

待って、そんな最初からぶっ飛ばしたら後半キツくなると思うんだけど…

｢貰った!｣

相手選手の足が見事ボールに当たり、彼の勢いは失われるも、歩をとめず鬼道へとパスを繋げた

激しいタックルをも諸共せず豪炎寺にパスが渡り、敵が彼に集中したところでサイドを走る吹雪へと繋げ、相手の隙を突く

｢ウルフレジェンドｯ!!｣

咆哮をあげ駆け抜ける狼をデザートライオンのキャプテンが腹で受け止めるも、威力は殺しきれず道を譲る

｢しまったｯ!｣

それによって軌道が変わり、ポストギリギリを狙うシュートをGKは全力で駆けて拳でラインの外へと弾く

｢いいぞ吹雪！その調子だーｯ!｣

｢うんｯ!｣

コーナーキックは風丸が担当する

気持ちを落ち着かせ、軽くジャンプし、覚悟を決めた

｢これが俺の新必殺技だｯ!｣

遥か高く蹴りあげたボールはミスキックかと誰もが思えたが、かけられた回転によって急カーブ、そのままポストギリギリを目掛け軌道に乗る

これは相手も予想しなかった、否、出来なかった

伸ばされた手は届くことなく先取点を受け渡す

凄い繊細なコントロールだ
並の努力では到達できない領域に彼はいる


｢邪魔するやつは吹き飛ばすｯ!｣

｢思う念力岩をも通すって言ってね!｣

タックルを仕掛ける相手を軽い足取りで交わす

｢努力は必ず報われるものさｯ!｣

｢奴を止めろｯ!｣

突っ走る緑川を阻止すべく2人が同時に地を蹴り出すと、彼の直線上に居る吹雪とアイコンタクトをとり、ボールを蹴り出す

｢吹雪!｣

読まれていたかのように吹雪にも新たな選手が行くも、吹雪はこれをスルー

一芸だけじゃ代表選手は務まらない

線の延長線上にいるヒロトにそのままパスは繋がり即座にシュートへ移る

｢流星ブレードｯ!!｣

読み合いに負け、油断していた彼らは為す術もなく再びゴールを決めた

もうすぐで前半が終了するが、彼らの足は止まらない

得点の変動は無いまま前半戦が終了した

｢よし、後半戦もこの調子で行こうぜｯ!｣

｢あ、あぁ…｣

息を乱し肩で息をする彼らはとても円堂の言葉に満足に返せてはいない









分かっていた

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