放課後の時間に VI【イナイレ 】

211話 ページ15

財前総理による開会式を終えていよいよ私達の挑戦が始まる

｢スターティングイレブンを発表する｣

｢FW、豪炎寺、吹雪、基山｣

｢MF、鬼道、風丸、緑川｣

｢DF、壁山、綱海、A、木暮｣

｢そしてGK兼ゲームキャプテンは円堂｣


身体が震える。おそらくこれは武者震いだ

｢リベロ頑張れよ!｣

｢土方!頑張るね〜!｣


ポジションについて角馬さんのナレーションを聞きながら震えを抑える


私の晴れ舞台


｢キックオフ、試合開始です!｣

吹雪は後ろに控える鬼道に託し、豪炎寺と共に前線を走る

それを瞬く間に4人が周りを囲った

1人がボールを奪おうと仕掛けてはなんとかキープする。抜け出そうと走る鬼道と合わせて彼らも走る。獲物を狩るまで陣形を崩さず囲い続ける

逃がさない

あらゆる道を塞ぐ。パスなんて逃げ道は存在しない


｢ボックスロックディフェンス｣


ビッグウェイブスの必殺タクティクスがやがて鬼道からボールを弾いた衝撃で動揺した皆は連携を崩す

｢メガロドン!｣

海の狩人が大きな口を開けた

｢正義の鉄拳G2!｣

押し負けた鉄拳が砕け散り、必殺シュートが炸裂した

先制点を取られてしまった
それよりもそのパワーに再び身体が震えた

｢…凄い!｣

これが挑もうとしている世界の領域

私たちはこの世界を勝ち抜いて頂点を目指すんだ

やってやろうじゃん。優勝、世界一に!


｢皆、試合はまだ始まったばかりだ!まずは1点、追いつこうぜ!｣

｢｢おぉー!｣｣


走る豪炎寺に再び4人が四隅を囲う

｢ボックスロックディフェンス!｣

逃げ惑う彼を隅の2人が壁となる
空は海で鍛え抜かれた身体で防がれた

再びオーストラリアにボールが渡り、ゴール目掛けて突っ走る

｢逆だｯ!｣

サッカーは騙し合いの世界
馬鹿正直な考えはすぐ読まれる対象!

思考の裏を読んで飛び上がった私の考えは当たっていた

｢お前、女か｣

｢このチーム唯一のね!吹雪!｣

敵陣に残る吹雪にボールを繋げた瞬間、四方から湧き出るようにまたしても四隅を囲う
次々と伸びる鍛え抜かれた脚に苦戦しながらも肩と肩から見えたヒロトの存在

いけると思い放った鋭いキックを彼らは見逃さなかった

ボックスロックディフェンスが破れないまま猛攻は続いていく

｢まだ気づかないのか｣

苦戦を強いられる中、監督が口を開いた

｢箱の鍵は、お前たちの中にある!｣

ぐっと刺される指の示したものは身体の中

212話→←210話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す