未来予報士現実主義者の恋物語【シンタロー】

第１４話 ページ16

クロハ「…で？何で泣いてんの？」

A「…別に…。あんたに関係ない。」

クロハ「冷てぇな。俺がここに何しに来たと思ってんだよ。

話…聞いてやってもいいけど。」

A「…わかったよ。

カノって言う男の子がいるんだけど、

あたし、その男の子に恋愛対象でどう思うかって聞かれてさ。

リア充うぜぇって思うくらいだから、恋愛とかわかんない。

だから、悩んでた。

すごいモヤモヤしてた。

そんな時に、シンタローって言う男の子から告白されてさ。

ただでさえ訳わかんないのに、

シンタローにまで告られたらもうどうしていいかわかんない。

結局シンタローにイヤミみたいなの吐きだして、

逃げちゃった…。」

クロハ「フればいいだろ？」

A「フるのも、辛いんだよ。」

クロハ「じゃあお前二股かけれんの？」

A「そ、それは無理だけど…。」

クロハ「じゃあ付き合えばいいだろ？」

A「あたしだって、かっこいいと思う人くらいいるよ…。」

この台詞を吐いた瞬間、セトの顔が頭に浮かぶ。

セト…好き、だけど…。

多分この恋は叶わないだろう。

だってマリーがいるんだから。

セトはマリーしか頭にない。

マリーにもセトしか見えてない。

変なの。

非現実的、だなぁ…。

クロハ「とにかく…今お前がやるべき事をやれよ。」

クロハの言葉が心臓に刺さる。

そうか。

みんな、片思いだ。

あたしだけがこんな思いしてるんじゃなかったのかも。

少しだけ、気分がよくなった気がした。

気づいたら、クロハはいなくなっていた。

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