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痛くてさ ページ3

「…、逃げないで来てみたらこれさ、…」

一人でぽつん、と呟く、その声は何処か自嘲気味で、諦めているようだった、アホらしい、今までずうっと逃げてきたのは俺だ、怖いって思ったら直ぐに関係を切ったのも俺、身勝手で救いようのないバカ、本当、馬鹿だ。今まで彼女の何を見ていたのだろうか、何処からかふんわり甘い匂いの漂う風を浴びながら、彼女が置いていった荷物、学校に取りに行くには時間が遅すぎて、きっと彼女の彼氏さんとやらとは連絡がとれていないんだろう、心配するだろうし話がこじれたりするのはごめんだ、まだ新しく見えるスクールバッグから赤い端末を取り出した、ポケットに入れてると落としてそうだったからだ、淡々と指先で触れて画面を進めていくと、夜風みたいなそれに吹かれながら、ある一人に連絡する、言わずもがな愛らしい顔立ちの一人の男だけど。そうして三回ほど、機械音を鳴らすとぷつ、と軽い音がしてから、どしたのアルフレッドお〜、と緩く間延びした声が聞こえている、少しくぐもっていたけど、何でか凄く悲しくなりながら、ああ、もしもし、と言うと話題を切り出した。

「君の大切な彼女さんの行方がわからなくてね、俺もさっき聞いてさ、多分家だと思うから連絡してあげてくれよ、彼女、携帯学校に置いてってるらしくて連絡つかないんだ」

少しおどけたように、いってみせる、あたかも人づたいに聞いたみたいに、自分のことではないように、笑って見せたんだ。

「…そう、ありがとね、教えてくれて、ああ、あのさ?アルフレッドは何で教えてくれるの?」

下心は、ばれているのだろうか。

「…、…理由が必要かい?」

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淘汰(プロフ) - さて、スランプでせう…() (2016年6月18日 18時) (レス) id: dc3785a11b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:淘汰 | 作成日時:2016年5月29日 9時

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