【w.r.w.r.d.！】未来の夫探しをしてみた。【王子様パロ】 (ページ30)

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掴まってくださいページ30

「この城にも本は貯蔵されているのですか？」

「ええ、書庫に10万冊ほどの本が。よかったら見に行ってみますか？」

「いいんですか？」

「はい、ぜひ」

私は彼に連れられ、書庫へ向かったのだが、この城には地下があったようで、どうやら書庫はそこにあるようだ。やはり地下であるため、少し寒く薄暗い。
ちなみにぴくとは、メイドさんに連れられ、本処理場を拝見させてもらっているよう。

「足元に気を付けてください。少し見えにくくなっていますから」

「あ、ありがとうございま…わっ！？」

言われたそばから私は、自分のドレスの裾を踏んでしまう。ぐらっと体が前に傾く。

「危ない！！」

私の前にいた彼はとっさに腕で、倒れてきた私の体を受けとめる。
フワッと彼のいい匂いが香ってきた。

「だ、大丈夫…ですか？」

私は彼の声に我に返り、彼から離れ、体制を整えた。

「あ、あぁ、大丈夫ですっ！すみません！！」

「い、いえ…その…ここ危ないですから、私に掴まっていてください」

くるっと彼は私に背を向けて、左肘を曲げた。
え、えと…ここに…掴まればいいのかな…？

私は恐る恐る、彼の袖をつかんだ。
見た目はまるでお化け屋敷に来た男女のようだった。

それから数十ｍ歩いたものの、恥ずかしさゆえに会話が出来ず。

ついた先には、奥深くまで続いている大きな空間が広がっていた。