幕府のボディーガードさん4【銀魂】

第194訓-■■■篇-終 仲直り、終幕 ページ44

.




｢心配しなくても姐さんはとっくに“持ち過ぎ”てますぜ｣

｢！それは……｣



分かっとる。どんなに奥にしまい込もうと、自分を殺そうと、きっとこの体の本質がそうしてしまう。

けれど私は、全てを背負い込む程器用ではないから。
人ではない、化け物だからこそ我武者羅に護ってこられた。だけど、それでも護れなかったものはたっくさんある。


目を伏せると、沖田さんはまた姐さんと呼んでくる。



｢姐さんが全部護らなくてもみんなテメーのことはテメーでやりまさァ｣

｢……やったら、私の───｣



ここにおる意味は……。


そう言おうとして、言えなかった。沖田さんの目があまりにも鋭く私を見ていたから。




｢アンタはもう真選組(こっち)にいます。なんで、手助けぐらいしてやりますよ｣

｢お、沖田さん……｣




カチ、と何かが嵌ったような音がした気がした。こっちにいる、という言葉はすごく嬉し、い、ような……




｢ま、手間賃はとりやすが｣

｢お金とるんかい………………っく、｣




前言撤回や阿呆。なんか笑いが込み上げてきた。こんな気持ちになるのめっちゃ久しぶりやな。


私が声を押し殺して笑っていると、ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…と携帯の着信音が鳴った。誰かと思い見るとなんと舞蔵さんやった。



｢はい｣

『A！！今どこに、『じいやはちょっと下がってて？…Aさん！帰りにいちご大福買ってきてくれませんか？お兄様も食べたいと仰ってるので！』ひ、姫様……』

｢いちご大福ですね、分かりました｣

『オーイA〜、ついでに俺の』

プツッ



なんか知らないオッサンの声が聞こえたから帰りにいちご大福買って帰ろう。『うぐいす』に寄ろうかな。




｢……そういうことやからもう行くわ。沖田さん、また明日な｣


｢へーへー｣



適当な返事がまた新鮮に聞こえた。




○○○


屯所を出て、『うぐいす』に寄るための道を歩いていると見知った後ろ姿がいた。



｢……銀時？｣

｢あ？あー…なんだよてめーかよ……｣

｢てめーで悪かったな。なんでここに？｣

｢ジャンプ買いに来た｣

｢ここら辺にコンビニも本屋さんもないで｣

｢お前さ、方向音痴の癖になんでンな事分かるんだよ｣




そういえば銀時も助けに来てくれたんやよなぁ。(無視)


ふと、思う。




｢なぁ、銀時｣

｢なんだよ？｣

｢団子、奢ったる｣

｢え、マジかよ！急に何？怖ぇんだけど｣

｢串刺しにしたろか？｣



夜の道に男と女が二人、仲睦まじく歩く様子はまるで─────。





【■■■篇】ここにて終幕。






.

第195訓 説明欄にちょこっと動乱篇書くって言ったけどそれやめて低レベルなギャグを頑張ろうと思います。→←第193訓-■■■篇-四三 近い距離

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す