幕府のボディーガードさん4【銀魂】

第195訓 説明欄にちょこっと動乱篇書くって言ったけどそれやめて低レベルなギャグを頑張ろうと思います。 ページ45

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小説の主人公たるもの、物事に対する遭遇率は常に“高”でなければならない。

だけど大体の作者さんはその遭遇率を主人公に最大限に振り切る。そうしないとお話が進まないから。

……やからこの小説の主人公である私も例外やない。




｢(……財布がない)｣




そう、ありきたりな遭遇“いべんと”。スリや。
懐にちゃんと閉まっておいた財布が無くなっとる。

こういう時逆ハー小説ならば他キャラが助けてくれるんやろうけど……。


実はみんな【■■■篇】で少し疲れとるんよ。今はお休み中や。私にも休みくれ。

こんなメタな話して悪いなぁ。とにかくお話に戻ろう。



｢(スリのヤツを見つけんなんな。財布の中は今日の全財産(三十円)が入っとるんや)｣




ご飯が食べれんくなるやろうが。

さっきスられたばかりやもんで、犯人はそう遠くに行っとらんやろ。私は辺りを見渡す。普通に談笑するおば様達、“げーむせんたー”に入りに行くガラの悪い男達。ファミレスでパフェを食べる女の子達……。

視界の端で、何かが動いた。



ん？動いた？てかあの長財布私のやん！！


その何かは路地に入っていった。逃がすか……！

私も路地に入ると目の前の光景に驚いた。



｢いやぁーごめんなさいねぇ！大切なお財布スってしまって。でも返す前にひとつ聞いぐぎゃっ！？｣

｢さっさと財布返せ｣

｢み、耳掴まないで痛いから痛覚持ってんの！！
いやーだからあのね？スったのは悪かったけど聞いてほしいことが｣
｢私の(今日の)全財産が入っとるんや。ご飯食べれんくなるやろ｣

｢ま、マジかよ姉ちゃん……。そんな貧乏だったのかよ…｣

｢？今日の分のご飯のお金があれば十分やろ？｣

｢いや清貧かよ！？｣



私は今、誰と話して誰にツッコまれたのやろうか。
ピンと立っている長い耳、糸で出来たクリクリな目、全身を覆う桃色の毛、特徴的な首飾り。


──────うさぎのぬいぐるみ。


私の長財布片手にめいいっぱい見上げている。




｢あの！！話を！！聞いて！！｣

｢しょうがないなぁ。お財布ん中に入っとる金額は三十円やけど、アンタ困っとるんやろ？そのはした金で良けりゃあ恵んだる｣

｢聞けェェェェェ！人の話を聞けェェ！！三十円で何が買えんだよ！？てか三十円長財布に入れる必要性なくね！？後お前会話って知ってる！？！？｣




○○○


｢ほう、なるほど……｣

｢おい姉ちゃんまだなんも言ってないぜ｣





続く！！

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